英語の論文を素早く読み進めるためには?

公開日:2018.01.02
最終更新日:2023.09.06

膨大な英語の論文を素早く読み進めたいと思ったことがある方も多いことでしょう。英語が苦手、長文を読むことに慣れていないという方は、かなり苦戦してしまうことも。しかし、早く読み進むための方法を知っていれば、ストレスもかなり軽減され、本来の業務により集中できます。では、早く読むための方法とは何なのでしょうか。

 

まずは、論文で良く使われる単語や文章表現を覚えていく

最初に重要なのは、論文独特の単語や文章表現を把握しておくことです。論文では例えば、「平均して」「~に関して」「~を用いて」「~の目的で」「~の条件で」「~に比例して」「~以上、未満」といった英語表現が頻出します。これらに関してはインターネットにも記載がありますので、英語に訳すことは割愛させていただきます。

また、日本語表現とは違う英語特有の表現にも注意が必要です。例えば「目的」という言葉を英語に直してくださいと言われた場合、あなたならどう訳しますか。中学や高校時代に、「目的」はaimあるいはpurposeだと習った方も多いと思いますが、aimは目指す方向や経路を指す場合、purposeは動機を表す場合に用いられます。このほかにも、「目的」をあらわす単語としては到達点を指すgoal、成果を表すobjectiveなどがありますから、それぞれの意味を正確に把握しておくことが大切です。他にも、bigは容量やかさ、largeは寸法や容量を表す場合に用いられます。特に、特定の専門分野で使われる単語に関しては、特に注意が必要となります。ふだんから専門用語を英語で覚えておくようにしましょう。

自分専用の辞書を作っておき、新しい単語を見聞きしたらそこに書き加えていくようにしても良いですね。専門用語では略語も多く使われますから、合わせて記載しておくと便利です。論文でよく使われる表現や単語に関しては、ネットにも多くの情報が載っています。ふだんからこれらの論文表現を確認し、それらを実際に使って短文を作る習慣などを作っておけば、いざというときも慌てずに済みそうですね。

 

全体の流れ・構成を理解する

次にご紹介するのは、全体の流れや構成を確認してから読み始めるという方法です。構成は、専門分野によって多少の違いはありますが、多くはタイトル、要旨、方法、結果、考察、参考文献、付録のパートに分かれています。まず最初に全体に目を通して、流れを把握しておいてください。何がどこに書かれているのかを把握しておくだけでも、読む際に格段にスピードアップできます。英語であっても、構成は日本語のそれとさほど変わりません。

長い英語の論文を目の前にすると、とにかく早く読むことだけに意識が向いてしまい、やみくもに最初から読み始めてしまいがちですが、全体の流れや構成を確認しておくことで、より早く読み進むことができます。全体の流れを把握したら、次は要旨を読みます。要旨ははじめの方に書かれている場合がほとんどですから、まずはそこを読んで、どのような内容の論文であるかを把握しておくと良いでしょう。この作業にはそれほど時間はかかりませんし、おおよその内容がつかめますので、ぜひ試してみてください。また、それぞれのパートが何章に分かれているのかをあらかじめ確認しておくことによって、どの程度の時間を割けば良いのかも把握することが可能です。そして、図や表は文章よりも視覚的に分かりやすいですから、読み始める前にざっと目を通しておくのも有効だと言えます。

要するに、やみくもに1行目から読み進むよりも、おおよその内容や要旨をあらかじめつかんでから読み始める方が、結果的には時間短縮につながるという訳です。また、ふだんから時間があるときに様々な英語論文を読んで、全体の流れや構成を確認してから読み始める練習を重ねておくことも大切です。

 

読む順番にも気をつける

では、最後に読む順番についてご説明します。学校の定期テストや入学試験で出題された英語の長文問題を覚えていますか。限られた試験時間の中で効率的に長文内容をとらえるためには、最初から読んではいけないと教わった方も多いのではないでしょうか。テストの場合は、最初に問題を読んでから、その問題で問われている箇所を本文から探すという方法が有効でした。論文の場合は、問題はついていませんが、やはり最初から読んではいけないという点では同じです。

その論文が長文であればあるほど、最初から読み始めるとかなりの時間がかかりますし、集中力が途中で途切れてしまい、結局何を言いたいのかさっぱり分からなかったということにもなりかねません。おすすめの読み方は、要旨、考察、結果、方法の順に読むことです。先ほども述べた通り、要旨にはその論文の概要が書かれていますから最初にここを読んでおきましょう。次に、考察を先に読むことで、内容がかなり分かりやすくなってきます。そのあと結果を読めば、論文の大部分について把握できるようになります。そのあとに方法に目を通しましょう。追試を考えている方はここもしっかり読んでおくことが必要ですが、そうでない方にとってはそれほど熟読する必要はありません。

最後に参考文献や引用文献にざっと目を通せば終了です。今ご紹介したのはあくまで一例です。また、その論文を読む目的によっても順番は変わってきます。例えば、実験方法を詳しく知りたい方は、そこだけを重点的に読めばよいわけですし、結果だけを知りたいという場合もあるかもしれません。色々な順番で読み進める練習をして、あなたに最も合った方法を見つけてみてはいかがでしょうか。

 

まとめ

長居英語論文を目の当たりにすると、早く読まなくてはと焦ってしまいがちですが、あらかじめ全体の流れをつかんでおき、読む順番にも注意することで、読むスピードがグッと速くなることがお分かりいただけましたか。一度試してみてうまくいかなかったからといって諦めずに、日を置いて再度挑戦してみてください。回数を重ねるごとに、徐々に読むスピードが速くなっていることを実感できるはずです。

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