必見!英語論文の書き方の基礎知識

論文は全世界にむけて発信されるものであるため、どの分野でも英語で執筆されるのがスタンダードになっています。今、あなたが学生で、将来本格的な研究職をめざすのであれば、できるかぎり早い段階で英語論文の基礎を理解し、正しい書き方を身につけておく必要があります。また、すでに研究職に就いている方でも、英語論文の基礎をあらためて習得することで、論文を書くうえで細かいミスを減らすことができ、質の向上につながります。

まずは内容と目的を明確にしよう

英語論文を書くにあたり何よりも大切なのは、内容と目的を構想段階で強く意識することです。これは日本語で論文を書く時も同じことで、「何のためにこのことを伝えるのか」ということを考慮しながら文を組み立てていかなければ論理が曖昧になり、論文としての体裁をなさなくなります。基礎的な語彙力はもちろんのこと、しっかりとした論理をくみ上げる能力もまた執筆者に必須のスキルであり、これは日常的なトレーニングによって向上させることができます。

英語論文を執筆する前にまず、全体の構成を一度紙に書いてみましょう。プロの小説家は作品の執筆に取りかかる前に、全体のプロットを結末まできっちり書きとめるといいます。論文もそれと同じことで、あらかじめ全体の構成を明確にシミュレーションしてから書きはじめることで論理がすっきりと頭に入るようになり、執筆作業がスムーズに進むようになります。

論文と作文の決定的な違いは、(主観か、客観か)ということです。作文は実際に起こったことを自分の主観をまじえて解釈し、意味が通るように文章化すれば一応の体裁は整います。一方の論文は大前提として、客観的であることがもとめられます。得られたデータをあくまでも論理的につなぎ合わせ、誰が読んでも同じ結論にたどり着けるように道筋をつけるのが論文の役割なのです。ゆえに、「主観的な論文」など存在せず、ほんのわずかにでも執筆者の主観が入った時点でその論文は失格ということになります。

英語で論文を書く、ということを意識する前に、まずは日本語できちんと論理的な文章が書けるよう基礎固めをしておくことが肝要です。英文と和文の構造の違いについて理解しておくことも、研究職として英語論文を書くにあたって有益と言えるでしょう。

フォントや文字の大きさにも決まりがある

論文の執筆にあたり内容以上に意識すべきなのは、全体の体裁です。英語論文の体裁については現在、国際的な団体によって明確な定義が設けられており、正式な論文に関しては原則としてそれらのフォーマットに則って書かれることを前提としています。全体の書式は、論文の顔です。就職面接で面接官が志望者の身なりからおおよその性格やスキルを判別するように、論文を審査する側も論文をひとつひとつ詳細にチェックするのではなく、まずは全体の構成やフォントサイズなど目に見える部分を確認し、書式にあてはまっているかどうかで適正を判断します。

もちろん内容も重要ではありますが、規定を大きく逸脱した書式の論文はその時点で審査からはずされる場合があるため注意が必要です。具体的なフォントの規定については論文の投稿雑誌によって微妙な違いがありますが、基本的には「見やすくくっきりした字体」が好まれる傾向にあります。なお、ゴシック体や明朝体は論文において引用や補足などを意味するため、本文や表題に使用するのはさけるべきとされています。

フォントや字体のチェックを通過したら今度は、論文としての構成が審査されることになります。一般的な論文の場合、「序論、本論、結論、考察」という順番で論を進めていくことになります。英語論文ではとくに構成が重要視され、ここ数年はよりロジカルに構成された「構造化論文」が主流になりつつあります。論文を構造化することで全体の論理がさらにすっきりと整理されるようになり、「この論文を通して何を伝えたいのか」ということを明確化させることができます。海外の研究者が論理学の基礎を学ぶのは、わかりやすい論文を書くためのひとつのトレーニングなのです。

正式な論文の構成を守って書いていく必要がある

日本では昔から三段論法といって、「序論、本論、結論」という構成にしたがって論文を書くとわかりやすいとされています。英語論文ではこれをさらに細かくして、「表題、要旨、メソッド、序論、本論、結論、考察、文献、付録」という構成で書き進めていくことが基礎的な作法とされています。

要旨とは研究の目的のことで、同時に「この論文を通して何を伝えたいのか」ということを明確にするためのセクションです。メソッドは研究方法を意味し、調査研究にあたってどのような手法を用い、どの程度の期間それを行ったのか、そのあたりの概要を簡潔にまとめます。論文において特に重要なのは考察部分で、研究によって得られた結論からさらに何が導かれるのか。日常の表現に直せば「この論文で何が言いたいのか」を読む側に理解してもらうためのセクションとなり、この部分が論文の骨子にあたると強調する学者も少なくありません。

学術論文においては参照文献を正しい書式で記すことが重要となり、原則として論文中で資料として参照した文献についてはすべて書き記す必要があります。本文内に記載しきれなかった参照文献や考察データについては付録部分に詳細に追記することになります。日本語でも英語でも、論文ではある程度形式化された言いまわしが用いられることが多く、それらを身につけることもまた論文執筆における基礎的トレーニングとなります。

たとえば、「この研究は~を提供する」というような文型は英語論文において頻繁に使われる形式ですので、覚えておくと論文が書きやすくなります。まずは国内外の論文をできるかぎり数多く読みこなし、主だった論文形式を頭になじませておきましょう。

まとめ

英語論文の独特な様式は、つまるところ、日本語と英語のロジックの違いに起因するのかもしれません。論文において英文がスタンダードになっているのも、読みやすさという理由だけでなく、英文のもつ論理性が論文という形式にマッチしているためであると考えることができます。

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