工学分野の英語論文の書き方|おすすめの英文校正会社も紹介!
工学分野の英語論文では、実験・観察結果などの事実に基づいた科学的かつ論理的な分析が重要です。
分析が重要視される関係上、執筆には専門的な知識が多数必要とされるうえ、膨大な情報をきちんとまとめ上げ、伝えきるだけの構成能力が不可欠といえます。
知識を持たないまま執筆に入ると思わぬ壁に突き当たってしまう可能性もありますので、まずは工学論文を執筆する際のポイントを明確にしておきましょう。
コラムの目次
工学分野の英語論文の書き方
クオリティの高い英語論文を書くためには、英語論文の一般的な構成を知り、読み手を想定した分かりやすい文章で書くこと、専門用語の正しい使い方を知っておくことが大切です。
以下で、わかりやすい英語論文を書くための具体的な方法を説明します。
翻訳ツール を利用する
英語で論文を書いたことがない方や慣れていない方は、日本語で書いた文章を英訳する形で英語論文を執筆することがあると思います。
そんな時は、無料で使えるGoogle翻訳などの翻訳ツールを利用しましょう。
昨今の翻訳ツールは非常に高機能であるため、十分実用に足る英文へと変換してくれます。
Lingueeという翻訳ツールは、入力した日本語の英訳が実際に使われた文と共に表示されるので、英語表現がどのように使われているのか確認でき、英語学習にも活かすことができます。
なお、翻訳ツールは便利なツールですが、出てきた英訳をチェックせずにそのまま使うことは避けましょう。
必ず自分で確認し、英訳に違和感を覚えたら複数のウェブサイトで確認することを心がけてください。
翻訳ツールの精度が上がったとはいえ、専門的な内容の英語まではカバーしておらず、文脈を無視した英訳になってしまうこともあるためです。
英語論文はIMRAD形式で書く
工学分野に限らず、英語論文は「IMRAD(イムラッド)」形式で書くことが一般的です。「IMRAD」は、
- Introduction(序論)
- Methods(方法)
- Results(結果)
- Discussion(考察)
の頭文字を取ったもので、この構成と順番で書くことをIMRAD形式と呼んでいます。
なお、英語論文の書き方については、この論文構成の順番にしたがう必要はなく、書きやすい順番で書いてかまいません。たとえば、Methods(方法)やResults(結果)の部分は、客観的な事実を書く部分であり英語論文の中では書きやすい部分であるため、ネイティブ研究者の方も、Methods(方法)やResults(結果)から書き始める方が多いようです。
Methods(方法)やResults(結果)の執筆に当たっては、文章を書き始める前に図表を先に作成しておくと、その後の執筆作業がスムーズです。
文章を書く時は、図表の説明から書き始めると良いでしょう。
Methods(方法)は、他の研究者が再現できるよう、詳しく丁寧に書きます。
既に行ったことなので、過去形で時系列に書くのが、一般的な書き方。
Results(結果)も「過去形」で、客観的な事実のみを記載します。結果に対する考察は、次のDiscussion(考察)で記載します。
Discussion(考察)では、Results(結果)を基に分析をしていきます。
書き方のコツとして、最初から完成度の高いものを目指さないこと。
まずは箇条書きでも良いので、書き進めることが大切です。
Introduction(序論)は、最も執筆が難しいと感じる研究者が多いようです。
研究の背景を説明、文献を引用しながら先行研究を紹介し、本研究の目的を明示します。
Introduction(序論)は、論文の他の部分の執筆が終わって、最後に書くという書き方でも良いでしょう。
英語論文のタイトルは、文献検索に引っかかりやすいように重要なキーワードを含め、長すぎないように名詞を中心とした簡潔なものにします。
読み手を想定して分かりやすく書く
英語論文を通じて研究結果を広く世に広めるためには、読み手を想定した分かりやすい文章を書く必要があります。
まず、英語論文を投稿するジャーナルを、自分の研究テーマに合ったものにしましょう。
ジャーナルによって想定される読み手が異なるため、投稿先のジャーナルによってある程度読者層を想定することができます。
ただ、最近は複数の分野にまたがる学問も増えてきており、専門外の人が読む可能性も。
自分が分かっている前提知識と言うのは、文章を書く時に省略してしまいがちなものですが、省略のし過ぎは予期せぬ誤解を招くことがあるため、自分が第三者の読み手になったつもりで、丁寧に分かりやすく書きましょう。
また、英語論文では凝った英語表現は必要ありません。
主語を明確にし、明瞭簡潔な英語で書きましょう。
工学分野の専門用語の書き方を知る
工学分野の英語論文では、専門用語が頻出します。
専門用語や固有名詞が英語で正しく使えていないと、ジャーナルに投稿した時、査読で不利になってしまいかねません。
自分が使いそうな専門用語をあらかじめリストアップしておき、英語での正しい書き方を知っておくことが大切です。
先行研究の文献を英語表現のテキストとしても活用するのもおすすめです。
工学分野の専門用語や固有名詞をピックアップして、必要であれば日本語訳とともにリストに控えておきましょう。
専門用語リストがあるだけで、論文を英語で書くハードルがぐっと下がります。
工学分野の英語論文執筆に役立つツール
母国語でない言葉で学術論文を書くのは、慣れない内は特に大変な作業です。
今は、英語論文執筆に役立つツールがいろいろあるので、便利なツールはぜひ活用していきましょう。
工学分野の英語論文に必須の図表作成ツール
工学系の英語論文では、Methods(方法)やResults(結果)などで、図表やグラフを使って分かりやすく説明することが欠かせません。
便利な図表作成ツールとして、フローチャートを書くMicrosoft Word、Microsoft PowerPoint、グラフを作成するMicrosoft Excelなどがありますので、ぜひとも活用してみましょう。
また、説明用の図などを描くには、Adobe Illustratorなどがあり、Microsoft PowerPointでも簡単な図を描くことができます。
英語論文を自分で見直す際に役立つ英文校正ツール
工学英語論文を書き上げたら、必ず自分で見直しをしてスペルミスや英語の誤りがないかチェックしましょう。
その際に役立つのが、Grammarlyなどの英文校正ツールです。
Grammarlyを使うと、スペルミスや文法上の誤りなどが瞬時に修正されます。
ただ、英文校正ツールを使う際も、自分の目で確認することは欠かせません。
自分が意図したものと別の意味の英語に修正されることが考えられるほか、論理上の矛盾やデータの整合性など、機械では判別できない誤りが文中に混じっているケースがあるためです。
工学分野に強い英文校正会社の選び方
自分でできる限りの英文校正をしたら、英文校正会社に依頼することも検討しましょう。
自分では気づかない英語のミスを指摘してもらえるだけでなく、より自然な英語表現の提示や、ジャーナルの投稿規定に沿っているか、論理的一貫性が保たれているかなど、深いところまでチェックしてもらえます。
英文校正会社に依頼する場合は、工学分野に強い会社を見つけることが最も重要です。
以下のポイントに注目して、工学分野に強い英文校正会社を探しましょう。
英文校正会社の得意分野を確認する
まず英文校正会社の得意分野を確認します。
校正会社のウェブサイトを見て、取り扱う論文の専門分野に工学系が入っているか、また工学分野の英語論文の校正実績がどれくらいあるか、チェックしましょう。
在籍する校正者の専門分野や経歴をチェックする
英文校正会社に在籍する校正者の属性も重要です。
ひとえに工学分野といってもバリエーションは様々で、工学の中には多数の細分化されたカテゴリーがあります。
自分の専門分野と同じまたは類似した専門分野に詳しい校正者がいるか、校正者の専門分野や経歴をチェックしましょう。
工学英語論文の出版経験がある校正者なら実際の書き方が分かっているでしょうし、査読経験のある校正者であれば、アクセプトされやすい英語論文の書き方を踏まえた英文校正をしてもらえます。
英文校正に含まれるサービスを確認する
英文校正サービスに含まれる内容も確認しましょう。
英文校正会社によって、英文校正サービスに含まれる内容や料金は大きく異なります。
複数の英文校正会社のサービス内容や料金を比較検討し、自身の論文と相性が良い校正会社を選びましょう。
顧客の口コミを見てみる
英文校正会社の顧客の口コミをチェックするのもおすすめです。
その会社を利用したことのある知り合いから感想を聞ければそれが理想的ですが、それができない場合は、各校正会社のウェブサイトに記載された口コミを見てみましょう。
顧客がその会社の校正サービスのどんな点に満足したのかを知る手掛かりになります。
工学分野の英語論文に対応可能なおすすめの英文校正会社3選
以下で、おすすめの工学分野に強い英文校正会社を3つご紹介します。
英文校正サービスの内容は変わらず納期によってのみ料金が変わる会社と、英文校正サービスのレベルに応じたプランを複数用意し、内容に応じた料金を設定している会社があります。
【おすすめ英文校正会社料金プラン】
英文校正会社 | 料金(1単語当たり) |
---|---|
edanz(エダンズ) | 12円(3営業日)、16.5円(2営業日)、21.5円(1営業日) ※ 英文校正サービスの内容は1種類で納期によってのみ料金が変わる |
enago(エナゴ) | 5.5円~(英語のミス修正)、9.5円~(論文構成も含めた英文校正)、 28円~(事前査読を含んだ英文校正) |
editage(エディテージ) | 5.5円~(英語のミス修正)、10.5円~(論文構成も含めた英文校正)、 24円~(事前査読を含んだ英文校正) |
edanz(エダンズ)
edanz(エダンズ)は、医学系や科学系の専門家が、ジャーナルへのアクセプト率を高めるような英文校正をしてくれる英文校正会社です。
高品質な英文校正を提供しながらも、納期は最短で1営業日から対応可能で、料金は12円からとリーズナブル。
edanzの英文校正では、各分野の専門家と品質管理の専門家が2人でチームを組んで英文校正を担当します。
いずれの専門家も厳しい基準で選定されており、各分野の専門家は博士号を保持するネイティブスピーカーで3年以上の英文校正経験があり、品質管理専門家は2年以上のコピーエディティング経験を持つネイティブスピーカーです。
英文校正サービスのプランは、質の高い英文校正1つだけ。
納期に応じて料金が変わるシンプルなシステムであるため、英文校正を初めて利用するという方でも気軽に依頼できます。
3営業日の納期(「ゆとり」)だと1単語当たり12円で、2営業日(「通常」)の場合は16.5円、1営業日(「エクスプレス」)の場合は21.5円です。
年会費3,000円のプレミアム会員になると、1ワード当たり1円割引となります。
【edanzの英文校正サービス料金(1単語当たり)】
英文校正 | エクスプレス (1営業日) |
通常 (2営業日) |
ゆとり (3営業日) |
---|---|---|---|
通常価格 | 21.5円 | 16.5円 | 12円 |
プレミアム料金 | 20.5円 | 15.5円 | 12円 |
enago(エナゴ)
enago(エナゴ)は、博士号や修士号を保持するネイティブ校正者が3000人以上在籍する英文校正会社です。
専門分野に強い校正者2名が英文校正を担当。
同社が受託した英文校正のうち、およそ4分の1が工学分野、物理学分野、化学分野であり、工学分野、物理科学の校正者の65%以上が学術研究団体における英文校正経験を有しています。
英文校正のプランは、内容に応じて3種類。
英語自体の誤りを修正する最もベーシックな英文校正である「ノーマル英文校正」は1単語当たり5.5円から。
英語論文の構成や論文内容にまで踏み込んだ英文校正をする「アドバンス英文校正」は9.5円から。
事前査読が無料で付き、トップジャーナルへの掲載を目指す英文校正は28円からとなっています。
【enagoの英文校正サービス料金(1単語当たり)】
英文校正 | トップインパクト英文校正 | アドバンス英文校正 | ノーマル英文校正 |
---|---|---|---|
料金 | 28円~ | 9.5円~ | 5.5円~ |
内容 | トップジャーナルへの受託可能性を高める英文校正
(事前査読付き) |
英語論文の構成や内容も踏まえた英文校正 | 英語自体の誤りを修正する英文校正 |
editage(エディテージ)
editage(エディテージ)は、校正者全員が英語ネイティブで、博士号取得者やジャーナル査読・編集経験者も多く在籍しています。
初回利用の顧客の約6割が、既存顧客や所属する研究機関からの推薦で利用していることからも、顧客評価が高いことがうかがえるでしょう。
工学分野および物理科学の校正者は1,000名以上在籍し、400以上の専門分野をカバー。
同社が英文校正した論文は、様々なジャーナルへ掲載されています。
editageの英文校正サービスは内容に応じて3種類。
英語自体の誤りをチェックする「スタンダード英文校正」が1単語当たり5.5円から、段落レベルの論理構造まで踏み込んだ英文校正が10.5円から、査読経験者による研究内容にまで踏み込んだ英文校正が24円からとなっています。
校正者を指名する場合はプラスで4,500円かかります。
【editageの英文校正サービス料金(1単語当たり)】
英文校正 | トップジャーナル英文校正 | プレミアム英文校正 | スタンダード英文校正 |
---|---|---|---|
料金 | 24円~ | 10.5円~ | 5.5円~ |
内容 | 研究内容にまで踏み込んだ英文校正 | 段落レベルの論理構造まで踏み込んだ英文校正 | 語彙や文法などの誤りを修正する英文校正 |
まとめ
工学分野の英語論文の書き方には、いくつか決められたルールがありますが、あらかじめルールを知っていれば書きやすくなります。
非ネイティブの日本人の研究者にとって、英語で学術論文を書くのは慣れるまではハードルが高いものです。
今は、無料で使えて英語論文執筆に役立つ便利なツールがいろいろあるので、これらを活用しない手はありません。
また、後で丁寧に推敲していくことを前提に、暫定的な文章でよいので、とにかく手をとめないで書き続けることが大切です。
英語論文がジャーナルにアクセプトされることを目指すのであれば、工学分野に詳しいプロの校正者が在籍する英文校正会社に依頼することもおすすめします。
この記事で書いた英文校正会社の選び方を参考に、英語論文執筆の良きパートナーとなるような会社を、ぜひ探してみて下さい。