英語論文のプレスリリースの書き方と英語校正業者を活用するメリット

公開日:2018.06.25
最終更新日:2023.02.07

英語論文執筆する際は、ジャーナルに論文を掲載するタイミングでメディア向けの資料として、プレスリリースの準備が必要です。
英語論文のプレスリリースには特有の書き方があるので、事前にプレスリリースの書き方を知っておくと作業がスムーズ。

今回は、初めて英語論文をジャーナルに掲載する方のために、プレスリリースを行う重要性や、プレスリリースの書き方について、詳しく解説していきます。

英語論文のプレスリリースとは

「プレスリリース」という言葉を初めて聞いた方のために、「プレスリリース」の簡単な説明をします。

メディア向けの資料のこと

プレスリリースは英語で、「press(報道機関)」と「release(発表、公開)」が合わさった言葉で、日本語では「報道発表」と訳されます。
簡単にいうと「メディア向けの資料」で、新聞や雑誌などの記事に掲載してもらうことを目的に、報道記者に提供します。

ジャーナルに英語論文を掲載する前に行う

プレスリリースの配信はいつでも良いというわけではなく、ジャーナルに英語論文を掲載する前に行います。
目安としては、ジャーナルに掲載する1週間から3週間前です。

ジャーナルに掲載する前に、シンポジウムや学会などで英語論文を発表する場合は、論文発表する1週間から3週間前までに、プレスリリースを準備して配信します。

英語論文のプレスリリースが重要な理由

英語が苦手だと、プレスリリースの準備が面倒に思われるかも知れません。
しかし、ジャーナルで英語論文を掲載するのなら、プレスリリースはしておく方がよいでしょう。

その理由を理解していただくために、ここではプレスリリースが重要な理由をご紹介します。

研究内容と研究成果を広く知ってもらうため

いきなりジャーナルに英語論文を掲載するよりも、事前にプレスリリースを行っていたほうが、研究内容と研究成果はもちろんのこと、研究者自身の認知度を高められます。

最近は SNS や Web サイトを使って、広告や宣伝ができるようになりました。

しかし、多くの読者を獲得しているメディアに情報を掲載してもらった方が、より多くの人に情報を広められます。
メディアに研究内容と研究成果が取り上げられれば、費用をかけずに周知できるのもメリットです。

ステークホルダーとの関係を築くため

「ステークホルダー(stakeholder)」は英語で、意味は「利害関係者」を意味します。

「ステークホルダー」はビジネスでよく使われ、ビジネスシーンでの「利害関係者」とは、具体的に「取引先」「経営者」「従業員」「顧客」などです。
研究の場では、「企業」「行政機関」「各種団体」などが該当するでしょう。

研究者が「ステークホルダー」との関係を築くことは、研究成果を社会に役立てたり、共同研究や共同開発を始めたりするチャンスです。

ジャーナルに英語論文を掲載しても、ジャーナルの読者は基本的にその分野に興味がある人なので、読んでくれる人は限られてしまいます。

メディアにプレスリリースをして、記事として取り上げてもらえれば、より広く周知することが可能でき、「ステークホルダー」との関係を築きやすくなります。

また、有名な新聞や雑誌などに取り上げられることで、その分野に詳しくない人からも信頼を得やすいです。

英語論文のプレスリリースの書き方と流れ

プレスリリースは、200~400ワードで作成する文章。
プレスリリースは明確なルールがあるわけではありませんが、記載してある内容は大体同じです。

書き方と大まかな流れを理解すれば、英語論文の執筆ができる方でもあれば、難なく書けるようになります。

一般的な英語論文のプレスリリースの書き方と流れは、次のとおりです。

【プレスリリースの書き方1】タイトル

タイトルは、メディアの人が最初に目にするところであり、記事でもそのまま見出しになることもありますから、慎重に選んでください。

タイトルで研究内容がわかり、読者の興味を引けるインパクトのあるものが望ましいです。

タイトルは、主旨を説明する「ヘッドライン」と、補足説明をする「サブヘット」の2つの構成になります。
過去形は使わず現在形を使用し、未来のことを記載する場合はto不定詞を使いましょう。

【プレスリリースの書き方2】デートラインと配信元

「デートライン」とは、プレスリリースを行う日付のことです。
研究を発表する日やジャーナルに掲載する日ではないので、ご注意ください。

次に、配信元の情報を記載します。
例えば、神奈川県横浜市の企業が2023年2月1日に、プレスリリース配信サービスの「共同通信PRワイヤー」から、配信する場合の記載の仕方は、次のとおりです。

“YOKOHAMA, Japan, Feb. 1, 2023 /Kyodo JBN/ –”

【プレスリリースの書き方3】リード

リードとは、日本語の「導入文」で、読者の興味を引いたり、本文の内容を簡単に紹介したりする部分。

リードは、その続きを読んでみたいと思わせられるかが重要になるので、簡潔な文章にすることがポイント。
具体的には、5W1H、「When:いつ」「Where:どこで」「Who:だれが」「What:何を」「Why:なぜ」「How:どのように」を意識して、文章を書きます。

特にリード文の冒頭部分を記載する際は、過去形にし、第三者的表現にすることが一般的な英語のプレスリリースです。

【プレスリリースの書き方4】本文

本文では、リードの内容に関する背景や根拠などを記載して、より詳しい情報を伝えます。
本文も5W1Hで書きますが、よりわかりやすいように、いくつかのパラグラフに分けたり、箇条書きにしたりしても良いです。
必要に応じて、画像やグラフを加え、専門用語の多用は避けましょう。

【プレスリリースの書き方5】会社概要

英語のプレスリリースでは、会社概要のことを「ボイラープレート」といいます。
書き方は、「About 企業名」のように、企業名の前に「About」を入れ、その後に、企業の事業内容や業績などを簡単にまとめます。

【プレスリリースの書き方6】問い合わせ先

海外でも、「悪質ななりすまし」によるプレスリリースが問題になっています。
このプレスリリースが「なりすましではない」ということを証明するために、「問い合わせ先」が必須です。

問い合わせ先は下記の順番で、記載します。
「担当者の氏名(アルファベット・フルネーム)」「部署名」「企業名・団体名」「電話番号」「メールアドレス」

英語論文のプレスリリースを書く時の注意点

英語のプレスリリースの書き方を説明しましたが、最後に書く時の注意点を説明します。
プレスリリースを書く時の注意点は、次の3つです。

デートラインが同じ日になるようにする

英語論文のため、複数の国でプレスリリースを配信する場合も多いです。
しかし、海外には時差があるため、日本と配信する国で日付が異なってしまうこともあります。

デートラインはあくまでも、プレスリリースを配信する日ですから、日本との時差を計算してデートラインを記載してください。

専門知識がなくてもわかりやすい文章にする

プレスリリースはメディアに行うので、ジャーナルとは異なり、その分野に詳しいとは限りません。
プレスリリースは、専門知識がない人も読むことを想定して、わかりやすい文章にすることが重要です。

専門家でしかわからないような専門用語は避け、違ういい方に変えてみたり、注釈を入れたり、括弧を使って補足説明を加えたりするよう心掛けてください。

一目でわかる画像やグラフを活用するのも、効果的です。

メディアが使いやすい画像を選ぶ

プレスリリースに使った画像は、そのまま記事に使われることも多いです。
特に、一枚目の画像は、SNS、コーポレートサイト、配信ツールなどのアイキャッチになりやすいです。

そのことを考慮して画像を選ぶことが大事ですが、メディアが使いやすいような画像サイズであることも意識してください。

プレスリリースは英文校正業者に依頼することも可能

プレスリリースの書き方を説明しましたが、少ないワード数のなかに必要な情報を織り込まなくてはいけないので、難しいと感じる方も多いです。

どんなに素晴らしい研究成果でも、プレスリリース文章のクオリティによっては、記事に取り上げられない可能性もあります。

プレスリリースに使う文章は、英文校正者に依頼することも可能。
英文校正業者に依頼するなら、英語論文の校正と一緒に依頼するのがおすすめです。

そうすることで、英語論文の内容をすでに理解しているので、内容に食い違いがでたり、プレスリリースをし忘れたりする心配がありません。
やり取りや支払い手続きも何度も行わなくて済むので、手間も省けます。

「エダンズ」は専門性の高い英文校正の豊富な実績があり、ジャーナルの採択率の高さとスピーディーな校正で高い評価を得ている英文校正業者です。
論文の英文校正だけでなく、プレスリリース作成のサービスも行っています。

まとめ

英語論文がジャーナルに掲載される前に、プレスリリースをしておくことで、各メディアの記事として取り上げられ、ステークホルダーとの関係を築くチャンスも得られます。

プレスリリースの書き方は大体決まっていますら、書き方の流れを理解すれば、英語論文を執筆できる方なら書くことが可能ですが、よりクオリティの高いプレスリリースを希望する場合は、英文校正業者に依頼することをおすすめします。

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