英語論文の序論の書き方
論文は、序論、本論、結論と、3つの柱からなり、それは英語の論文でも変わりません。では、導入部分である序論の構成では、どのようなポイントに気をつければ良いのでしょうか。実は、英語がネイティブの研究者などでも、苦手とすることが多いのがこの序論部分なのです。非常に大切な冒頭部でありながら、執筆段階においては後回しにされがちな部分でもあるようです。序論の役割や、留意しておきたい構成上の点にフォーカスしてみましょう。
コラムの目次
英語論文の構成は?
英語の場合は、日本語のものと若干異なる部分があります。英語で執筆するにあたって、まず基本の構成を見てみましょう。基本的には、Title(タイトル)、Abstract(抄録、要旨)、Introduction(序論)、Methods(方法)、Result(結果)、Discussion(考察)、Conclusion(結論)に加え、References(参考文献)、Appendices(付録)などが、一連の構成になります。そして、一般的には各セクションで、推奨される動詞の時制も異なります。
実際に執筆する段階では、注意しておきたいポイントでもありますね。明解で読みやすいものが推奨されているため、スタンダードなフォントは「Times New Roman」、サイズは10~12ポイントが基本的なルールとして採用されています。また、研究者として執筆する場合や、ジャーナルに投稿する場合など、目的によってもその執筆スタイルや方法は少し異なります。
執筆作業のためにも、これからの研究者としてのキャリア作りのためにも、ぜひおすすめしたいのが、日常的に英語の論文を読むように心がけることです。できれば、自らが専門、得意とする分野だけではなく、広く興味を持って取り組んでみてください。自身の構成力も自然と高まるはずですし、興味や知識の幅を広げるという意味でも、とても有意義なこととなるでしょう。
英文校正サービスを使うかどうかに関わらず、英語能力の高さと英語表現の質を培っていきたいものですよね。忙しい日々の合間にも、ぜひ時間を見つけて実践してみてはいかがでしょうか。
序論(introduction)の構成と書き方
序論(introduction)は、論文のアウトラインを提示することが目的です。まだ執筆経験が浅い学生などは、この序論でつまずき、結局何が言いたいのかが不明瞭な序論になってしまうという、NGパターンも多いようです。ありがちなのは、自分のこだわる論点を深く掘り下げすぎたり、またそのために、説明するべき論点が不十分になってしまうというケースです。
では、シンプルにポイントを押さえつつ、かつ読み手を効果的に誘導するための、序論の理想の構成とはどのようなものなのでしょうか。序論を執筆する上で、あくまでも気をつけたいのは、シンプルな構成です。形式に捉われすぎず、要点を押さえた、簡潔でわかりやすい序論が有効です。
基本の構成は、「概要の紹介」、「柱となる内容への言及」、「課題目的や仮説の記述」となります。まず、概要の紹介では、カギとなる単語を交えつつ、研究分野について言及します。もし読者へ専門的な単語への理解を仰ぎたい場合は、この段階で、ある程度説明しておくと、読み手が入り込みやすい後のステップへと繋がるでしょう。
また、読み手の興味を引きつけるためには、先行研究の引用なども効果的な手段のひとつです。次に、柱となる内容への言及では、既存の文献などを引用し、自己の研究との対比、論理的な解釈などを含めます。ここで注意したいのは、本論の中で使う予定の背景や知識、用語の過剰説明を省き、深く語りすぎずに、記述程度に抑えることです。
そして、課題目的や仮説は、どちらもしっかりと明記する必要があります。さらに、読み手を本論に誘導することを踏まえ、論文全体のアウトラインを提示することも、非常に効果的となります。
introductionでよく使われる単語は?
ごく簡潔に論文の内容を書くことが序論(introduction)では大切とされています。しかし、いきなり序論から書き始めるのは、意外と困難なものです。論文執筆を指導するプロは、序論を最後の仕上げの段階で書くことや、一気に書き上げてしまうのではなく、回数を分けて二段階で書くことなどを推奨しています。いかに序論が読者の心を掴むために大切な部分であるかという、客観的な事実がうかがえますね。
序論では、曖昧な表現や普遍的な物言いを避け、できる限り論理的に、そして簡潔に記すことを心がけるようにしましょう。アカデミックなシーンでよく使われる単語表現としては、次のようなものが挙げられます。例えば、日本人が「and」と書きがちな場面でも、「What’s more」や「Another key thing to remember」、「Not to mention/to say nothing of」に置き換えると、深みが増し、強調して何かを良い加えることなどができます。
例を示したい場合には、定番の「For Example」のほか、日常会話でも良く耳にする「For instance」、よりアカデミックな「To give an illustration」なども便利なフレーズです。まとめに有効な表現には、「Compelling」、「All things considered」、「Persuasive」など、日本人の感覚では少し仰々しいイメージの単語でも、論文上ならスマートに使うことが可能です。
また、オンライン上のフリー「Plagiarism checker」などを使い、序論の表現が既出論文の序論に酷似していないか、チェックするしてみるのもおすすめです。
まとめ
英語での論文、とくに序論(introduction)の書き方について、いかがでしたでしょうか。英文校正サービスを扱う会社では、論文執筆上などの細かい疑問や不安点についても、添削をしたり、アドバイスをくれる会社が多く存在します。ぜひ、あなたにあったサービスを有効活用して、レベルの高い論文執筆を目指してみてください。