知っておくべき英語で論文をかくためのコツとは
論文を書くには、ある一定のコツが存在します。文書の種類や投稿するジャーナルによっても若干の違いはありますが、大まかなルールにはあまり違いはありません。膨大な量の参考文献や本論などを組み立てていく際に、論文として適切に構成し作成するコツはどこにあるのでしょうか。どのように論文をスタートさせ、どのように終結させればよいのか、またどのように内容を展開させるのがベストなのか、おさえておくべきコツをいくつかご紹介します。
結果を書いてから理由を述べる
英語圏での論文は、「演繹法」といって、研究の結果を書いてからそこに至った経緯などの理由などを記述する方法が一般的です。ここが日本の論文と違う所でしょうか。日本では「帰納法」という理由を明記した上でこのような結論に至った、と記述する事が多くみうけられます。この部分はとても重要で、日本式に作成してしまうと全く相手にしてもらえない事さえあるようです。いかに優れた内容の論文であったとしても、投稿するジャーナルの構成にそぐわない場合は、掲載されることは無いと言ってもよいでしょう。
そして、結果の部分はresultsとdiscussionの二つにわけて記述されることが多くあります。resultsは文字通り得られたデータをまとめて提示する場所です。discussionでは、そのデータの考察を行う部分という区分けになります。このように分類すると、resultsでは実際に起きた内容の記述ですので、既に発生し完了している事柄を説明するということを考えると、英語の時制では過去の時制を使用するのが適しています。discussionでは、執筆時に考察を行っているというイメージから考えると現在の時制を使用されることが多いようです。
結果を記述するだけでも、執筆時に対する時制の一致というのは研究の流れをイメージ化し論文に流れを作るという意味合いからも、とても重要と言えます。こういった記述の暗黙のルールやジャーナルごとの記述の構成に関しては、発行されている英語論文などを参考にすると良いでしょう。
主題設定の重要性を理解する
論文に限られた事ではありませんが、主題はとても重要です。インターネットで検索する際や、本でのキーワードとなる部分であり、一番多く人目に触れる部分と言えます。論文で扱うポイントや内容は、明解かつ明確に記述することが求められます。その項目に対するキーワードが、不足することなく入っている事が大切です。英語圏の国々の文化として学んだ内容等を文書として構築する事が求められます。こういった国々では文章を書く機会が日本よりも多く、主張から結論までの文章の構造を組み立てる練習を数多くこなすこととなります。このように文章の構造に重きを置く文化の言葉で論文を執筆するのですから、主題はとても重要視されて当たり前とも言えるでしょう。
このように短いセンテンスながらも、とても重要な主題の作成ですが、もちろん読み手から見て研究内容を簡潔に把握できて、人を引き付ける主題を付ける必要があります。一般的過ぎても引き付けるという魅力からは遠ざかりますし、わかりきっている事柄を主題にもってくる研究者はあまりいないでしょう。では、魅力的な主題とはどのようなものなのでしょうか。それは論じる内容に焦点がしっかりと当たっているかが重要になってきます。タイトルは短すぎず長すぎず、この長さに関しては投稿予定のジャーナルで発表されている過去の論文が参考になるでしょう。
また、サブタイトルがつけれられている主題を用いている論文が多く受理される傾向にあるという集計もあるようです。このように、論点がわかりやすくまとめられた主題を作る事が、後々の受理される確率のアップにもつながってくることも考えられます。優秀な論文であれば、なんでも受理されるという事ではないということは理解できますね。また、主題の作成に関してもジャーナルの投稿規定にて一定の決まりがある場合がありますので、こちらでも投稿規定はしっかり確認しておくことが必要になります。
一貫性のある文章にすること
アカデミックな文書を作成する場合、内容に一貫性を持たせるという事はあたりまえのように聞こえますが、意外と書いてみると難しいものですよね。昨今流行しているブログのような文章の羅列になってしまっては、論文としての価値は薄れてしまいます。主題とその内容にずれがあったり、論理の展開に確実性を欠く場合などは論述するという観点からはかけ離れてしまっています。正確性や明確さが求められるものですから、不明瞭な説明書きがあったり、具体的な方法の記述が薄いという内容では受理されることは難しいと言えます。
また、論文自体の見やすさという面と大切ですから、論理や記述のパターンに一貫性がないものも好ましくありません。論述の展開に一貫性がなければ、その後にいくら英文校正を依頼しても、無意味になってしまいます。また、作成する際のスタイルを統一することもとても重要です。ひとつの主張に対して、どのような結果が生じて、どのように研究をし論説を展開できるかが重要となります。その軸をくずさないように執筆を進めることが大切になってきます。
重複するような内容を繰り返さない事はもちろん、逆に論説部分に抜けがあってもいけません。最も注目してほしいポイントをメインに執筆を進める事で、全体として一貫性の保たれた論文が作成できるでしょう。
まとめ
ジャーナルに投稿するような論文はもちろんの事、学生の研究レポートを作成する際にも書く時のコツがあります。このようなコツを掴む事で、研究内容の記述を明確にすすめ、論説を展開させる事が出来ると言えます。発表されているものを参考にすると内容の展開方法やその雑誌ごとの書き方の特徴を感じ取ることもできますし、ジャーナルの投稿規定をしっかりと確認し、明確かつ正確性のある執筆をしていただきたいと思います。