英語論文を英文校正会社に依頼するメリットとは?

書き上げた英語論文をジャーナルなどに投稿する前に英文校正が必須。

英文校正を行うには、自分で行う、個人的に英語ネイティブや英語が得意な人に頼む、英文校正会社に依頼する、などの方法があります。

このうち、英文校正会社に依頼するとどのようなメリットがあるのでしょうか。

今回は、英文校正会社に依頼するメリット・デメリット、英文校正会社ならではの強み、英文校正サービスの種類や料金の相場について解説します。

論文を英文校正会社に依頼するメリット

英文校正は、英文のスペリングミスや文法上の誤りを修正し、英文の種類や内容に合ったより適切な英語表現を提案、文章全体の構成が適切かどうかをチェックし、正しい英文にすることです。

英文校正を英文校正会社に依頼することは、自分で行う、または知人に頼む場合に比べて、次のようなメリットがあります。

英文校正にかける時間を他のことに使える

英語で学術論文を書くこと自体、英語ノンネイティブの日本人にとってはどうしても時間がかかってしまうものです。
書き上げた後に英文校正も自身で行う場合、相当な労力と時間を必要とします。

英文校正会社に依頼すれば、英文の細部にいたるまで自身でチェックする手間を省けるだけでなく、英語面で悩む時間を短縮でき、不安を軽減できる点がメリット。

論文の英語に誤りが多い状態でジャーナルに投稿してしまうと、英語の誤りを修正し、再投稿することを求められるか、編集者が査読に回さない、または査読に回したとしてもリジェクトされてしまうことがあります。

英語論文を同じジャーナルに再投稿し、別のジャーナルに投稿することになったら、より多くの時間がかかってしまうことでしょう。

英文校正会社に依頼すれば、これらの時間を節約でき、本来の研究活動に集中できるメリットがあります。

正しい英文で書かれた論文に修正できる

学界の主要言語は英語のため、研究成果を発表するために論文を世界的なジャーナルに投稿する場合、英語で書かなければなりません。

英語の間違いや不自然な表現があまりに多いと、本来の研究の価値が伝わりにくくなるばかりか、論文自体の正確性を疑われることにもつながります。

母国語で文章を書く時でも、間違えることはあります。
まして、母国語でない英語で文章を書く場合は、英文校正が欠かせません。

ところが、自身が書いた文章には自分では気づきにくい癖があり、何度見直しても見落としてしまうミスが起きやすいもの。

さらに、英語ネイティブでない日本人の場合、自分が書いた表現が正しいのか、また複数の表現がある場合にどちらを使うのが適切なのか、確信が持てないことも多いため、英文校正を自分で行うことは難しいのです。

英文校正会社に依頼すると、英文校正のスキルと経験を持つ校正者が、スペリングや文法上の誤りを始めとする英語のミスをほぼ完ぺきに修正し、かつ文法上の誤りではないが不自然な表現がある場合に、より適切な表現を提案してくれます。

正しい英語で書かれた論文に修正できるのが英文校正会社に依頼するメリットです。

専門的な内容を踏まえた英文校正をしてもらえる

もし、知り合いに英語ネイティブの方がいて、論文をチェックしてもらった場合、英語自体の基本的なミスは修正してもらえるかもしれませんが、英文校正のプロではないので、見落としがあったり、なぜ修正すべきなのか説明できなかったりします。

また、専門用語や専門的な内容に対応した英文校正をしてもらうことは難しいでしょう。

英文校正会社に依頼すると、専門分野に精通した校正者が専門用語に対応した英文校正を担当するので、論文内容を理解した上で修正してもらえるのが大きなメリット。

学術論文のような高度に専門的な内容を含む英文は、英文校正会社に依頼するのが、最も質の高い英文校正を受けられる方法です。

論文を英文校正会社に依頼するデメリット

英文校正会社に依頼することには、どんなデメリットがあるのでしょうか。

英文校正会社に依頼するとコストがかかる

予算が限られている場合、英文校正会社に依頼するのは、知り合いに頼んだり、英文添削アプリを使ったりする時に比べてコストがかかります。

知り合いの英語ネイティブ等に頼む場合は、格安の料金で引き受けてくれたり、時には無料で添削してくれたりすることもあるかもしれません。

また、無料の翻訳アプリもあるため、そちらを利用することもあるでしょう。

一方、英文校正会社に依頼すると、専門分野に精通したプロのネイティブ校正者が、時には2人体制で英文校正を行います。

英文校正の質が高い分、当然ながら料金もそれなりにかかります。

英文校正会社に依頼すると納品までの時間がかかる

英文添削アプリのような機械翻訳は、瞬時に添削結果が得られます。
一方、英文校正会社に依頼すると、文字数によりますが、納品まで1日~1週間くらいかかってしまいます。

英文校正会社による英文校正には、以下の確認・修正が含まれるため、納品まである程度の時間が必要です。

  • 1つ1つの英語表現を確認および修正
  • 論文全体の構成をチェック
  • 専門的な内容を踏まえた修正

英文校正会社に依頼する際は、英語論文をジャーナル等に投稿する予定の日から、納期を踏まえていつまでに英文校正を依頼すればいいのか、逆算しておくとよいでしょう。

なお、納品までの所要時間はワード数が多いほど長くなることが多いです。

また、通常の料金より高くなりますが、追加料金を払うことで通常より短い納期で仕上げてくれるサービスがある英文校正会社もあります。

英文校正会社ならではの強みとは?

英語学習者等向けに英文添削を行う会社は数多くありますが、学術論文のような専門的な文章の英文校正に特化した「英文校正会社」ならではの強みとはなんでしょうか。

このサイトでは英文校正の質、在籍する校正者の質、ジャーナル掲載可能性を高める英文校正、論文投稿をサポートする各種サービスについて、ご説明します。

ネイティブ校正者による質の高い英文校正

英文添削アプリは、英語の初歩的なミスをチェックするために補助的に使うには便利なツールですが、学術論文を英文校正するのに最適なツールとは言えません。

スペルミスや英語の文法上の誤りを瞬時に修正できる英文添削アプリは、以前に比べて精度が向上し、無料のものも増えています。

ただ、英文添削アプリは文章の内容に応じた適切な修正には弱く、また専門用語に対応していない、英文全体の構成のチェックができないため、英語論文の作成には向きません。

英文校正会社には、ノンネイティブの著者が英語面でどんなところで間違えやすいか、明瞭簡潔な英文にするにはどんな英語表現を相応しいのか理解しているプロの校正者が多く在籍しています。

よりアカデミックな英語に適した表現への修正や提案、英語論文全体の構成のチェックを含んだ質の高い英文校正をしてくれるでしょう。

各専門分野に精通した校正者が在籍

英文校正はネイティブなら誰でもできるわけではなく、英文を数多く書いた経験や、英文校正のスキルと経験が必要です。

また、英文校正会社には専門分野にも精通した校正者が多数在籍しており、専門用語や科学的内容を踏まえたチェックをしてくれるのが強み。

英文校正会社に在籍する校正者は、専門分野における博士号や論文の出版経験がある方が多く、英語論文の添削経験や、ジャーナルで査読を担当した経験者もいます。

ジャーナルに掲載されやすい論文の特徴を熟知している

英文校正会社の強みは、専門分野の内容を踏まえた質の高い英文校正ができることだけではありません。

英文校正会社は、ジャーナルに掲載されやすい論文の特徴を熟知しているため、ジャーナルにアクセプトされやすくなるような英文校正が可能です。

具体的には、そのジャーナルで一般的に使われている英語表現や専門用語に修正したり、論理的な矛盾がないかのチェック、重要な研究上の主張を目立たせたりします。

また、「要旨」(Abstract)に書かれた当研究の意義を分かりやすく修正し、読者の興味をひきつけるでしょう。

論文の投稿をサポートする各種サービスがある

英文校正会社は、論文をジャーナルに投稿したいと思っている研究者をサポートする、様々なサービスを提供しており、ジャーナルへの投稿を全面的にバックアップできるのが、英文校正会社ならではの強みです。

たとえば、英文校正を依頼して納品された後、著者からの質問に校正者が対応するサービスがあります。

英文校正においては、なぜそのように修正されたのか分からない、修正後の英文の意味が著者の意図する意味と違ってしまった、といった場合もあるでしょう。

質問の形で著者と校正者がやり取りすることで、著者の意図に沿った英文にすることが可能です。

また、論文がジャーナルの投稿規定に従って書かれているかチェックするサービスも充実。
各ジャーナルには、「要旨」(Abstract)に含めるべき項目、スペリングは英語か米語かなど、論文を書く際の決まりを定めた「投稿規定」があります。

投稿規定に従って書かれていないと、ジャーナルに投稿した際にリジェクトされる一因となり得ます。

ジャーナルによっては投稿規定が事細かに定められていることも多く、投稿規定を読みこなすだけでも大変な作業です。また、気を付けて書いていても、自分では見落としてしまうこともあるでしょう。

校正会社の中には、投稿規定に沿って論文のフォーマットを調整するサービスや、論文のワード数を決められたワード数以下に削減するサービスなども提供しています。

なお、これらのサービスは、英文校正サービスに含まれている場合とオプションサービスになっている場合があるので、利用したい場合はプランの内容を確認しましょう。

英文校正サービスの種類と料金の相場

英文校正会社が提供する英文校正サービスにはどんな種類があり、料金の相場はどれくらいなのでしょうか。

どちらも英文校正会社によって様々ですが、次の項目では一般的な英文校正サービスの種類と、料金の目安をご説明します。

英文校正サービスの種類

多くの英文校正会社は、英文校正サービスを以下のような英文校正の内容に応じて3種類に分けて提供しています。

  1. 基本的な英語の誤りの修正
  2. 専門用語や論文構成もチェックする英文校正
  3. 専門的な内容にまで踏み込んだ英文校正



それぞれの英文校正サービスの具体的な内容を解説します。

英語に修正する英文校正サービス

正しい英語に修正する英文校正サービスでは、スペリングミス、文法上の誤りなど英語の基本的なエラーが修正されます。

たとえば、文法上の誤りの修正の例を挙げると、以下のように主語と動詞の不一致、句読点の使い方のミスなどが修正されます。

例1) They was transferred to another place.
→ They were transferred to another place.
(主語が”They”で複数なので、動詞を”was”から”were”に修正)

例2) We chose the materials, which satisfies the requirement.
→ We chose the materials which satisfies the requirement.
(関係代名詞の「非限定用法」の際に置かれるカンマ(“,”)が関係代名詞”which”の前に置かれているが、この文では関係代名詞の「限定用法」にすべきなので、カンマを削除。)

このような英語の誤りを正す英文校正サービスは、英文校正サービスの中で最も手頃な料金に設定されています。

初めて英文校正会社に依頼してみようと思う方、専門的な内容を含まない英文を依頼する時、どうしても予算と時間が限られる場合に最適です。

専門用語の使い方や論文構成もチェックする英文校正サービス

正しい英語に修正するのは、英文添削アプリを使ったり一般のネイティブの方に英文校正してもらったりする方法でも、ある程度まで対応できます。

このような最低限の英文校正に加え、学術論文作成上のルールにしたがっているか、専門用語が正しく使われているか、より洗練された表現の提案、論文構成のチェックを含む英文校正サービスもあります。

論文の内容を踏まえた英文校正サービス

さらに、ジャーナルに投稿した場合にアクセプトされる可能性を高めるような英文校正サービスもあります。

専門的な内容を踏まえ、論理的に矛盾しているところがないか、段落と段落が論理的につながっているか、研究の新規性が明確になっているか、ジャーナルの投稿規定にしたがっているかなどを含んだ、最も高度な英文校正サービスです。

英文校正サービスの料金

英文校正サービスの料金は、上述した英文校正サービスの種類ごとに異なり、また納期とワード数によっても異なることが多いです。

料金を英文校正サービスの種類で分けた上で、納期・ワード数を加味して追加料金とするパターンと、英文サービスの種類とワード数の両方に応じて料金設定し、納期が短い場合は追加料金とするパターンなどがあります。

3種類の英文校正サービスの相場は、それぞれ以下のようになっています。
ただし、英文校正会社によって、各サービスが含む内容の範囲や、納期が異なります。

  • 正しい英語に修正するサービス:1単語当たり5~10円程度
  • 専門用語の使い方や論文構成もチェックする英文校正サービス:1単語当たり5~15円程度
  • 論文の内容を踏まえた英文校正サービス:1単語当たり10~20円程度

なお、Edanzのように英文校正サービスを1種類のサービスのみに限定し、納期のみで料金を分けている英文校正会社もあります。

いずれのプランを選ぶか迷う必要がなく、料金が明確なので英文校正を依頼する際に予算を簡単に見積もれることがメリットです。

まとめ

論文がジャーナルに掲載されるなどして世界に向けて発信できなければ、研究成果を広く認識してもらうことはできません。

ジャーナルに掲載されるには、論文が受け入れられる必要があります。

受け取られやすい英語論文にするには、専門分野に精通し論文出版や英文校正の経験が豊富な校正者が在籍する英文校正会社に依頼するのが近道です。

ノンネイティブの日本人が書いた英語論文が適切な英文校正を受けなかった場合、たとえ研究の内容が素晴らしくても、英語のミスが多い、英文が分かりにくいなどの理由で、ジャーナルに拒否されてしまうといった事態も起こり得ます。

英文校正会社に依頼するとコストと納品までの時間はかかりますが、専門分野に精通し英文校正の経験が豊富な校正者が、内容を踏まえた英文校正をするため、英文の質が高まります。

英文校正会社をうまく活用して、研究成果を広く世界に向けて発信し、研究者としての実績を積み上げましょう。

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