植物学の英文校正のポイントとおすすめ会社比較

英文校正会社の中には、特定の学問に特化した校正会社があることをご存知でしょうか。
この記事では、植物学を専門に持ち英語論文の校正を予定されている方に向けて、植物学の英語論文校正の際のポイントと、植物学を専門とするおすすめの校正会社についてご紹介していきます。
これから植物学の論文を執筆しようと考えている方や、海外に向けて自身の論文を発信したい方には必見の内容です。
コラムの目次
植物学の英語論文と英語論文の違いとは?
そもそも植物学の英語論文と一般的な英語論文の違いはどこにあるのでしょうか。
ここでは、英語論文にあまり触れたことがない方に向けて、英語論文の呼び方とその構成について紹介していきます。
英語論文には「essay」「paper」「monograph」の3種類があります。
このうち、「essay」「paper」は簡易的なものであり、大学の授業などで頻繁に書かれる小論文やレポートに近いイメージです。
これらは実験手順や結果を簡潔に記したカジュアルな仕様のものであるため、学術誌への掲載には適していません。
対して、学術誌に掲載されるような専門的なものは「monograph」といわれ、各分野の研究規則や特定のフォーマットに則ったうえで、研究内容が詳細に書かれます。
学術誌への掲載を前提としているため、執筆する際のルールや縛りも厳しく、また研究に関わった人員や条件・環境等も正確に盛り込まなければなりません。
今回注目する植物学の英語論文も植物学研究を記した専門的な論文であるため、後者にあたります。
専門分野や執筆目的によって構成が若干変わることがありますが、「monograph」の構成はある程度定められていることが一般的です。
以下に、植物学の英文執筆における「monograph」の構成と、その構成が論文中で果たす役割について記します。
1,タイトル(Title)
読み手の興味を引くことができるよう、自分なりの視点から主題をまとめたものです。
タイトルの語数は分野によって大きく差がありますが、一般的には10~12語が理想的であるといわれています。
2,要約(Abstract)
自身の研究テーマや結果を導き出すまでに行ったアプローチを簡潔に順序立てて紹介したものです。
読み手が論文の内容を把握するために目を通す部分でもあるため、一番伝えたい重要な内容を盛り込むようにしましょう。
ジャーナルによって様々ですが、200~300語で書かれることが一般的です。
3,序論(Introduction)
自身の研究の概要を紹介したものです。
研究に至るまでの背景や参考にする先行研究を明らかにすることによって、自身の研究の方向性を読み手に指し示す目的があります。
4,材料とメソッド(Material and Method)
実験に用いた装置や材料、薬品や製造会社の名前など、研究の対象と方法を事細かにまとめたものです。
英語論文においては、過去形での記載が一般的とされています。
5,結果(Results)
実験から得られたデータや、実験の結果を詳細に記したものです。
どのような実験を行った結果に何を得ることができたのか、読み手にもきちんと伝わるよう、写真や図表を用いて客観的に書きましょう。
6,考察(Discussion)
研究の結果得ることができたデータをもとに組み立てた、自分なりの推論を記すものです。
研究が与える影響や将来性、他の研究分野との関連までを幅広く書き記すとともに、現状での課題についても言及します。
7,結論(Conclusions)
研究を行うことで得ることができた新たな知見についてまとめたものです。
序論で紹介した研究の意義に触れ、序論よりも具体的な内容で書き記します。
8,謝辞(Acknowledged)
論文におけるあとがきです。
論文執筆にあたってお世話になった人や組織等を列記し、感謝の言葉を述べます。
また、研究の際に補助金や寄付金を受けていた際には、関連する企業・個人名も書きます。
9,参考文献(Reference)
研究する際に参考とした論文や記録を書き記すものです。
書籍の場合はページ番号、論文の場合は行数までを詳細に書きます。
10,付録(Appendices)
本文に載せることができなかったデータを補足的に掲載するものです。
植物学の英語校正の執筆ポイント
植物学の英語校正に関心を持っている方の中には、もうすでに植物学の英語論文を書かれている方も多いと思います。
ここでは、英語論文をより良いものへとブラッシュアップするために、押さえておきたい執筆・表記ポイントを解説していきます。
植物学の英語論文ブラッシュアップのステップ
植物学の論文執筆において頻出する植物名の表記は、以外と間違いやすいポイントです。
種別や学名の記載には字体や文字の指定など様々な規定が存在するため、きちんとルールを把握しておかなければ投稿用のフォーマットを崩してしまいかねません。
ここでは、わかりやすいよう具体的な例を交えながら、特に注意したい植物名のルールや表記について見ていきます。
正しい学名で記載する
一般的に、植物の名前には通称名と日本独自の和名や標準和名、各国で名づけられている固有名称があります。
一部の名称は国や地域・文化圏によって呼び名が異なっており、国や地方特有の名称を使用してしまうと海外の方から理解を得られなくなってしまう場合があるため、英語論文に植物名を記す際には必ず学名で記載するようにしましょう。
慣用表現や短縮形は避ける
ネイティブな人が日常的に使用している自然な表現でも、ネイティブではない人には伝わりにくい可能性があります。
英語を母国語としない方が論文を読むこともありますので、なるべくわかりやすい表現を心がけましょう。
また、短縮形はフォーマル形式ではなく、論文には向いていません。
場合によっては無条件で減点されてしまいかねないため、特別な理由がない場合は避けたほうがよいでしょう。
投稿予定のジャーナルや学術誌にすでに掲載されている論文に使用されている文章表現で記すことが、最も確実といえます。
(例)figure out→understand (理解する) cut in→interrupt(中断する)
(例)it’s →it is can’t→cannot
より簡潔に
読み手の負担を軽減することができるよう、内容は簡潔に記しましょう。
わかりやすくまとまった表現を行い、要点のみを的確に説明することによって誤解が生じる可能性を避けることができるほか、自身の考えが読み手に伝わりやすくなります。
植物学の英文校正会社3社比較
昨今では様々な英語校正会社が設立されており、それぞれが異なる強み・得意分野を持っています。
今回のように植物学の英語論文を依頼するのであれば、やはり植物学について専門的な知識やノウハウを持っている英語校正会社を選ぶのがおすすめといえるでしょう。
ここでは、植物学に関連する英語論文の校正経験が豊富な英語校正会社を3社紹介していきます。
それぞれの会社の価格感や納期、特徴についても事細かに紹介していきますので、ぜひとも参考にしてみてください。
Edanz(エダンズ)
Edanzは、様々な分野に精通しているベテランが多く在籍する校正会社です。
植物学の分野における校正実績も非常に豊富でノウハウも蓄積しているため、多種多様なテーマの論文に対応することができます。
1995年から力を入れている論文出版サポートでは、英語論文のフォーマットや語彙選択・文章構成などを徹底的に検証してくれるため、論文の採択率を大きくあげることが可能です。
論文採用率は一般的な英論文釈択率と比べて1.7倍と非常に高水準であるため、英文校正会社にあまり詳しくないという方はEdanzを利用するとよいでしょう。
HP: https://jp.edanz.com/english-editing-c-expert
構成にかかる料金は以下のとおりです。
サービス | 通常 | エキスプレス |
---|---|---|
価格(1ワード) | 16.5円 | 21.5円 |
納期 | 2営業日 | 1営業日 |
校正には、「通常」プランと「エキスプレス」プランの2種類があり、前者は依頼から2営業日、後者は依頼から1営業日以内までに校正が完了するようになっています。
また、受け取りたい期日まで余裕がある場合は、「ゆとり」という文字単価12円のサービスを利用することもできます。
自身が受け取りたい期日との兼ね合いを見て、利用するサービスを選ぶとよいでしょう。
校正する論文の種類によって値段は変動するため、詳細はホームページをご覧ください。
Forte
FORTEは、科学技術の専門家が多く在籍する英語校正会社のひとつです。
理工学から生物・植物学まで幅広い科学に対応可能であり、実績のある研究者も多数在籍しています。
校正レベル(文法・スペルミスのみチェックなど)の選択によって、見てほしい項目のみをチェックしてもらえるため、無駄のない依頼をすることができる点も強みの一つです。
ホームページには、恒星者の一覧が掲載されているため、それを見ながら担当してほしい校正者を指名することもできます。
HP: https://www.forte-science.co.jp/life-sciences.html
サービス | 通常 | エキスプレス |
---|---|---|
価格(1ワード) | 13.75円(601ワード以上) | +25%【参考】17.18円 |
納期 | 5営業日〜 | 3〜5営業日 |
Edanzと同様の料金形態をしているため、こちらも受け取りたい期日との兼ね合いで決めるとよいでしょう.
NAI(エヌ・エイ・アイ株式会社)
NAIは25年以上に渡り支持される英語校正会社です。
一度リジェクトになってしまった論文の再投稿に対応してくれるため、万が一の際のリスクを極限まで抑えることができます。
比較的マイナーで担当者の見つかりにくい生産植物学、植物生理学、植物病理学などにも対応可能であるため、より専門性の高い植物学分野の論文を執筆したいという方におすすめです。
HP: https://www.nai.co.jp/category/agriculture.html
サービス | 通常 | エキスプレス |
---|---|---|
価格 | 2750円(200ワード)
(参考:1文字換算 13.7円) |
3500円(200ワード)
(参考:1文字換算 17.5円) |
納期 | 2〜8日 | 1〜5日 |
料金は、ワード数によって変動します。
納期のばらつきが比較的大きいため、余裕を持った依頼を心がける必要があるといえるでしょう。
まとめ
植物学論文のように専門性の高い英語論文を執筆するためには、フォーマットや字体・学名といった様々な箇所に気を配らねばなりません。
不慣れなうちは論文の不備に気がつくことができないケースもありますので、英語論文校正会社を利用して論文のクオリティを上げるとよいでしょう。
英語論文校正会社にも得意不得意がありますので、依頼する際は、自身が専門とする分野や見てもらいたい項目との兼ね合いを考えて決めるのがおすすめです。