植物学英語論文で気をつけることは?ルールや執筆のコツをご紹介!

公開日:2023.05.25
最終更新日:2023.08.09

植物学の論文執筆にあたり、専門的な書き方や気を付けたい学名の表示などをまとめました。

この記事を参考にすれば、よりスムーズな論文執筆が可能になるでしょう。

植物学の研究で、英語論文を執筆したいと考えるみなさんに確認していただきたい内容です。

植物学論文とは?

植物学とは植物を対象とする自然科学で、植物の形態・発生・生態・分布・遺伝などを研究する学問です。

その研究結果を発表するためにまとめた文章が、学術論文、ここでは植物学論文になります。

そのため、学術論文の形式は要旨・序論・方法・結果・考察・結論・参考文献といった決まった形式で書かれることが一般的になっています。

研究者によっては植物学ジャーナルに投稿する方も多いです。

なぜならジャーナル掲載によって、ご自身の研究成果として評価されることと、世界中の人と共有する機会になり世界に大きな良い影響を与えることができるからです。

植物学の英語論文の際に押さえておきたいルールとは?

世界中に多種多様に存在する植物で、植物学研究、論文執筆において当然ながら頻繁に登場する植物名。

ここでは論文執筆の際に特に注意したい学名表記について詳しくご紹介します。

学名の仕組み

植物の学名は、国際植物命名規定に基づいて「属名」、「種小名」をラテン語で表す二名法または二命名法によって表記されます。

これは「分類学の父」ともいわれるカール・フォン・リンネによって1700年ごろに考案されたもので、現在も使われています。

特に注意したい学名表記

植物の学名には、一般的に使われている通称名とは異なりそれぞれの国や言語でつけられた名前がついています。

日本であれば和名と標準和名があり日本国内においては通じますが、他の国ではそうはいきません。

そのため学名で記すことが論文においては必要不可欠であり、学名で記載することでどの国の人が読んでも同じ植物であることがわかります。

例として一般的に「桜」で通じますが、桜にも様々な種類が存在し、最も日本において主流なのが「ソメイヨシノ」です。

英語圏では「cherry blossoms」となり「Prunus x yedoensis」と記載します。

大文字化

最初の部分は属の名前を表し、大文字で常に表示します。

2番目の部分は、種の名前を表しますが大文字にはしません。
例: T. turgidum(Triticum turgidumの省略形。リベットコムギ)

また注意したいのが提出先のジャーナルによって省略形から一文字を始められるかどうかなど、規定が異なることをご自身の提出先やジャーナル規定を確認し、論文制作に取り掛かりましょう。

学名はラテン語のままイタリック体で記載

これらの二名式はイタリック体(斜字体)で書きますが、その理由は本文と学名を区別するためと覚えておくとよいでしょう。

学名表記の仕方

上記でも解説した通り、学名表記方法は細かく決められており、属名は大文字、種小名は小文字からイタリック体で書かれ、公式には命名者の名前も表記することになっています。

属名+種小名

一般的な学名表記の仕方です。
例:アジサイ属 アジサイ 「Hydrangea macrophylla」

属名+種小名+園芸品名

上記の一般的な学名の後に、園芸品種が続く場合。

園芸品種名だけでなく園芸名の場合もあり、これは海外のものが入ってきたときに名付けられる日本風の名前です。

例:「Echeveria peacockii ‘Desmetiana’」

属名+園芸品名

種小名を除き、園芸品種名を表記する場合。
例: Agopanthus ‘Bressingham Blue’

種名が特定できないものは属名の後にsp.表記

同定不可能な種名に関しては、属名の後にイタリック体にせずにsp.と表記します。
例)Phacops sp.
※sp.はspecies(=種)の略(単語を略すときはピリオドをうつ決まりになっています)

植物学の英語論文執筆で注意したいこと

植物学の英語論文を執筆していくうえで注意する点をいくつか挙げておきます。

規定に従わずに執筆提出すると、どんなに良い論文でも却下されてしまいます。

投稿規定には文章のフォーマット、図表、参考文献に関する形式が決まっていることがほとんどです。

ジャーナル投稿先のホームページでは「Instructions for Authors」、「Instructions for Contributors」と執筆者に向けて執筆上の表記について細かく指示していますので、執筆前には必ず確認しましょう。

自動変換の大文字に注意

上記に記載された通り、学術名の表示は細かく決められています。

ワードで論文執筆の際、気をつけたいのが初頭の大文字自動変換です。

種名や種子名は必ず小文字から始める決まりになっているので念入りに確認しましょう。

英語の時制に注意

論文で使う時制は各セクションによって異なり、それぞれにふさわしい時制があります。

英語で書くときに、どの時制で書けばよいのかと悩むことも少なくないのではないでしょうか。

たとえば、序論「イントロダクション」は現在形で書き、方法・結果は過去形で書くのが一般的です。

例外もあるので、それぞれの場面で正しい時制を使いこなすことが大切です。

原稿の体裁をチェック

掲載先によっては、例えば脚注を用いない、説明文の記載場所の指定、序論や謝辞の見出しを記載しないなど、構成上のルールがあります。

投稿する際にもファイル書式が指定されていることが多いので、書式の違いで慌てて書式変換しなくても済むように先に投稿書式とジャーナルの最新版を見ながら改めて体裁の確認を行い、執筆していくとよいでしょう。

引用文献の書き方を確認

引用文献の記載ではローマ字やイタリック表記の指定が入りますが和文を引用文献として用いることがあり、和文の表記についてはローマ字表記のあとに日本語の表記を並べるなど、ジャーナルによって指定されている場合があります。

句読点や挿入する図表の指定

句読点、括弧の使い方、フォント、論文の長さを指定している投稿先があるため、執筆前に確認します。

図表や写真については、カラー・モノクロの指定、解像度、スケールバーをつけるなど規定がありますので、執筆前後の確認は欠かせません。

執筆後ジャーナルへの投稿前にホームページを見たうえで、論文の投稿規定、書式について再度確かめましょう。

植物学の英語論文に強い英文校正会社の選び方

数多く英語校正会社が存在し、「どこに依頼したらいいのかわからない」という方も多いのではないでしょうか?

ここでは数ある校正会社から、植物学の英語論文校正向きの校正会社の見つけ方のポイントをご紹介します。

専門家がいるか

数多くの校正会社が存在する中でまずチェックしたいのが、専門家がいるかどうかです。

専門家が在籍しているかの判断は、対応分野の詳細や校正者のプロフィールで確認します。

校正者にはそれぞれ得意な専門分野があります。

条件に合った校正者がいたとしてもタイミングによっては希望の校正者に担当してもらえないことが考えられ、専門分野の校正者が複数在籍している場合は安心して依頼できます。

ご自身の専門である植物学の専門家に頼むことが一番と言えるでしょう。

過去に植物学英語論文校正の実績があるか

過去に植物学の英語論文校正での経験があるかどうかもチェックしましょう。

校正数の多さは英文論文執筆で表現に関する引き出しの多さにもつながります。

締め切りが迫っていて急ぎの時など、状況によっては専門家に頼めない場合も出てきます。

そんな時は過去に校正実績があれば安心して依頼できるでしょう。

校正会社の実績を調べる方法としては、ホームページ上の対応分野の詳細、校正者プロフィール、ジャーナル掲載先の参照、実際に校正されたサンプルやチャット、メールでの問い合わせを利用し、専門分野の実績が多い校正者がいるかを確認しましょう。

提出規定にあっているか

ご自身の英語論文投稿先の規定を確認し、規定にあったものに対応しているかを確認しましょう。

校正会社によっては、投稿先のジャーナルに合わせた書式での校正を行ってくれます。

投稿先によっては一般的な「目的」「方法」「結果」「結論」のような英語論文のフォーマットではなく、ジャーナル特有の文体や引用規定など細かい指定フォームの場合もあるので、どこに投稿するかジャーナルの指定に合わせた校正依頼やアドバイスがもらえる校正会社を選ぶとよいでしょう。

サポート体制の充実

英語論文の校正だけでなく投稿サポートとして、アブストラクトやカバーレター作成を校正と同時に進められるプランが存在します。

第三者の視点に加えて専門家による新規性、有用性を説明、事前査読で投稿前に英語論文の質をさらに高められます。

専門家による便利なサービスの1つとして、どのメディア・ジャーナルを選択するかにより原稿の長さやインパクトファクターなど条件に合うジャーナルを提案し、執筆前から投稿直前までサポートしてくれる校正会社があります。

校正以外で不明な点があっても、電話やメール、チャットでしっかりサポートがある会社を選びましょう。

おすすめの校正会社3選

Edans(エダンズ)

Edansは、多種多様な各分野の専門家が在籍している校正会社です。

英語を母国語とするネイティブでありながら、各分野への深い知識を持った専門家が担当、校正に含まれる内容としてジャーナルの投稿規定に沿って書かれているか、異なっている場合はコメントします。

植物学に精通した専門の担当者がいるのはもちろん、3年以上の校正実務経験を積んでいる人がエダンズの校正者として在籍しています。

研究者向けのサービス・オプションが充実しており、英語論文の校正だけでなく統計分析をはじめ、コンテンツ・メディア向けの資料作成も行います。

また創業以来25年以上にわたり論文出版にも力を入れており、論文採用率は1.7倍となっていて、クライアントから長年にわたり高い評価を受けています。

FORTE

FORTEは科学技術がメインでありながら、植物学にも精通している校正会社です。
ネイティブでありながら、専門性知識豊富、さらに優れたライティングスキルで業界トップの校正者が担当します。

また追加料金や文字数に限りはあるものの最短で特急サービス4時間から納品可能なのも、お急ぎの校正を依頼されたい方には嬉しいポイントです。

NAI(エヌ・エイ・アイ株式会社)

NAIは25年以上の長年にわたりお客様から支持されていて、植物学全般に対応しており対ジャーナル投稿の論文に強い会社です。

一度リジェクトされてしまった論文の原稿や査読コメントに対してのサポートもトータルして対応してくれます。

また英語翻訳や校閲だけでなく、プレゼンテーションのためのサービスなども展開されています。

まとめ

この記事では、植物学英語論文を執筆する方や、植物学研究中でこれから植物学論文を書く人に向けて、植物学に関する英語論文の書き方やコツを解説しました。

植物学の英語論文にプラスして校正となると、ジャーナル投稿に関する書式やルールと合わせて気をつけるポイントが多く感じるかもしれません。

その際には校正のプロである会社を利用するのも1つの方法です。

必要に応じて、ご自身にあった信頼できる校正会社を選び、完成度の高い仕上がりを目指しましょう。

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