翻訳の工程とは?発注に関する疑問を併せて紹介します!
映画の字幕やインターネットニュースなど、翻訳は様々な場面で利用されていますが、実際にどのような工程で行われているかご存知でしょうか?
今回の記事では「翻訳の発注から納品までの流れとは?」「翻訳工程はレベルによって違うって本当?」と疑問をお持ちの方に向けて、翻訳の工程について詳しく説明します。
翻訳の工程は主に6つのステップに分けられますが、それぞれの作業について理解を深めましょう。
翻訳の発注を考えている企業に向けて、よくある質問についてもお答えしますので、参考にしてみてください。
コラムの目次
翻訳の工程とは
翻訳の工程は大きく分けて6つのステップから構成されています。
発注
まず、翻訳会社に案件を依頼するところから始まります。
ホームページの問い合わせフォームやメールなどで依頼するのが一般的です。
本格的に翻訳作業に入る前に、内容や、納期、レイアウトなど、詳細を確認していきます。
希望通りの仕上がりにするために、しっかりと細かいポイントまで伝えることが大切です。
特に、訳文の使用目的や想定読者を併せて伝えることで、翻訳会社側も仕上がりレベルをイメージしやすくなります。
プリエディット
プリエディットとは「翻訳作業前の編集」を意味します。
文章の意味合いを正確に表現できるように、言語によって生じる文法体系を整えるのです。
例えば、日本語では主語が省略されても意味が通じますが、英語は主語を省略せずに記述する必要があります。
プリエディットを行うことで、クオリティの高い仕上がりになるのです。
翻訳
プリエディットが完了したら、いよいよ翻訳作業に移ります。
専門知識を有している人、実績がある人、柔らかい文章を書くのが得意な人など、案件に併せて翻訳を担当する人が決められる仕組みです。
翻訳家は発注者が希望するスタイルガイドに則って翻訳を行っていきます。
例えば、丁寧な文体を希望したり、数字の表記を半角に統一してほしいという依頼があったり、発注者によって希望するルールは様々です。
チェック
翻訳作業が完了したら、原文と比較しながら誤字脱字がないか確認していきます。
ミスがあると会社の信頼を低下させてしまうため、入念にチェックが行われるのです。
また、訳文のクオリティを高くするため、バイリンガルやネイティブによって翻訳のチェックが行われることもあります。
翻訳家本人のチェックに加えて、別の人によるクロスチェックが行われるのが一般的です。
レイアウト調整
翻訳チェックの後はレイアウトを調整していきます。
翻訳最中にレイアウトが崩れてしまうことがあるので、原文に近づけるため、修正作業が行われるのです。
例えば、不要なスペースを削除したり、段落を追加したりしていきます。
読み手が読みやすい構成になったら、訳文はほとんど完成状態です。
納品・アフターフォロー
レイアウトも含めて最終チェックを行った後、発注者の元に翻訳された文章が届けられて納品が完了です。
発注者が訳文を確認して仕上がりを確認しますが、不備がある場合は問い合わせがあるので、アフターフォローを行います。
2週間までなら無料で修正を承る翻訳会社が多いです。
翻訳作業中に使用した用語を整理して、似た案件があった際の参考にします。
翻訳の工程はレベルによって異なるって本当?
翻訳の工程は仕上がりレベルによって異なります。
主に翻訳は「ドラフト翻訳」「バランス翻訳」「クオリティ翻訳」の3種類です。
それぞれの種類の翻訳工程について紹介します。
ドラフト翻訳
ドラフト翻訳とは完了まで迅速で、低コストなのが特徴的です。
シンプルに翻訳のみの作業になるので、ネイティブチェックなどの作業は省かれます。
例えば「書いてあることをすぐに理解したい」と正確性がそこまで問われない場合、ドラフト翻訳が選ばれやすいです。
スピーディーな翻訳が必要な場合は、ドラフト翻訳を選択しましょう。
バランス翻訳
バランス翻訳では、ネイティブチェックは行われないものの、原文と近い仕上がりになるように比較作業が行われます。
原文の表現が反映されるため、ドラフト翻訳よりも質の高い訳文が出来上がるのです。
しかし、バランス翻訳のみだとネイティブにとっては不自然な表現も残っている可能性があります。
社内やチーム内で資料を共有する場合など、訳文を見る人が限定的なときはバランス翻訳が選ばれることが多いです。
クオリティ翻訳
クオリティ翻訳では、ネイティブチェックが入るため、質の高い訳文が仕上がります。
専門用語も正確に翻訳されるため、自然な訳文が出来上がるのです。
ネイティブのチェックが入っているため、読んでいて訳された文章であると感じることがありません。
クオリティ翻訳は、文書を一般公開する場合など、公的な文書を作成する際におすすめです。
特定の工程だけ発注することは可能?
翻訳工程は6つのステップに分けられることを説明しましたが、結論を述べると特定の工程だけ発注することは可能です。
ネイティブチェックが不要な場合や、レイアウト調整が不要な場合など、必要に応じて翻訳会社に相談するようにしましょう。
しかし、翻訳会社の中には、一連の翻訳作業を行うことを基準としているところもあるので、会社を選ぶ際に注意する必要があります。
まずは会社に問い合わせて、特定の工程だけ対応してもらえるか確認してみてください。
工程ごとに発注先は変更できる?
工程ごとに発注先を変更することは可能です。
それぞれの翻訳会社の強みを活かして、とにかくクオリティの高い訳文に仕上げたいという場合に、翻訳会社の変更が行われることがあります。
例えば、ドラフト翻訳は納品までのスピードが早いA社に依頼して、ネイティブチェックは専門知識を持った人材がいるB社に依頼する場合などです。
しかし、工程ごとに発注する会社を決定する必要があり、仕上がりまでに時間がかかる可能性があります。
まとめ
今回の記事では「翻訳の工程を知りたい」という方に向けて、一般的な翻訳の流れを紹介しました。
翻訳工程は仕上がりレベルによって異なることがあります。
依頼する文書の読み手が誰か、何の目的で使用されるかなど、明確にしておくことで適切な発注をすることが可能です。
特定の工程だけを発注したり、工程ごとに発注先を変更したりすることはできますが、翻訳会社によって契約内容が異なるため、疑問点がある場合は会社に直接問い合わせをしてください。