Trinkaとは?世界初の英文校正のAIツールについて紹介

研究者向けに開発された「Trinka」が世界初のAI英文校正ツールとして研究者フォーラムで注目されています。とはいえ、2020年にリリースされたばかりの新商品。具体的な特徴や機能について、詳しく知りたいという方も多いでしょう。そこで本記事では、Trinkaの強み・新機能・料金についてまとめてみました。
Trinka(トリンカ)とは?
Trinkaとは、2005年12月に設立して以来125カ国・200万人以上の研究者にサービスを提供してきた「研究支援エナゴ」が開発し、2020年6月1日に公開された「世界初のAI英文校正ツール」です。
従来の英語校正ツールは汎用性が高い反面、学術論文などを手掛ける研究者からは下記のようなネガティブな感想が寄せられていました。
▼一般的な英語校正ツールが研究者に不向きな理由
- 文法やスペルミスの修正だけでは物足りない
- 微妙なニュアンスが研究者の意図と合わず、論文の内容が正しく伝わらない
これに対し、Trinkaは学協会・一流大学・学術出版社など世界中の著名な専門家が推薦業者に認定している研究支援エナゴが開発しただけあって、下記の2点に特化している点が最大の特徴です。
▼Trinkaの専門性
- 英語の学術論文
- 英語のテクニカルライティング
まさに、研究者のニーズを満たすために開発された英文校正ツールと言って良いでしょう。
ちなみに、研究支援エナゴの創業者はインドの大手企業クリムゾンインタラクティブ社のCEOを務めるシャラド・ミッタル氏(Sharad Mittal)で、Trinkaというツール名は開発スタッフの名前が由来になっているそうです。
Trinkaの3つの強み!一般的な英語校正ツールとの違いは?
Trinkaは、研究者向けに開発された世界初のAI英文校正ツールです。
しかし、英語の学術論文やテクニカルライティングに秀でていると聞いても、具体的なメリットがイメージできない方も多いのではないでしょうか。
そこでこの段落では、一般的な英語校正ツールと比べて何が優れているのか、Trinkaの代表的な強みを3つピックアップしてみました。
▼Trinkaの強み
- ジャンルに合わせた文章スタイルに最適化
- 3,000種類以上の複雑な文法ミスを修正
- 外出先での作業もOK
ジャンルに合わせた文章スタイルに最適化!
出展:Trinka
同じ論文でも、専門分野によって学術ガイドラインに沿った文章表現は微妙に異なります。
その点Trinkaは、テーマやジャンルごとに文法・構文・語彙・文章トーンの全てを加味した文書スタイルを最適化したうえで、英文に校正される仕組みになっているのです。
AIによる英文校正ツールと聞くと、「システマチックな文章になるのでは?」と懐疑的な方も多いでしょう。
しかし、Trinkaを開発した研究支援エナゴに在籍している校正者は2,000名以上にものぼり、英文校正を担当しているスタッフは博士・修士号を有するネイティブの研究者に限定されています。
顧客満足度99.4%の実績が証明している通り、医学から経済学まであらゆる専門分野ごとに集めた膨大かつ優れた論文データを搭載したTrinka のAIだからこそ、ジャンルに最適な文書スタイルで校正できるのです。
文章トーンが強化できる!
Trinkaの英文校正には、専門性を強化する文章トーンの選択肢が4通り用意されています。
▼Trinkaで強化できる文章トーン
- APAまたはAMAスタイルガイド
- フォーマルなトーン
- 専門用語の選択
- 簡潔
「American English」または「British English」どちらかを選択できるのも、アカデミック・ライティングに特化しているTrinkaならではの強みでしょう。
3,000種類以上の複雑な文法ミスを修正!
単純なスペルチェックや基本的な文法ミスの修正だけが目的であれば、従来の英文校正ツールでも通用するでしょう。
しかし、論文における英文校正では些細な文法ミスや微妙な言い回しによって質が低下しかねません。
なぜなら、論文には正確性・客観性・読みやすさに加え、論理的で明確なプロセスを簡潔かつ専門家らしいアカデミックなトーンで表現するテクニックが求められるからです。
一方、TrinkaのAI英文校正には論文の正確性と質の両面をアップグレードするために、下記の3機能が搭載されています。
▼Trinkaの文法とスペルチェック
- 類似ツールでは探せない複雑な文法ミスを、3,000種類以上も修正してくれる
- 論文に最適な単語やフレーズを選択してくれる
- 冗長な文章を、より少ない単語を使ったフレーズに置き換えて簡潔にまとめる
外出先での作業もOK!
オフィスに限らず、自宅や外出先など場所を選ばず利用できるのもTrinkaの大きなメリットです。
インターネット環境さえ整っていればクラウド上での英文校正機能が使える「Trinka Cloud」なら、どこに居ても作業が効率的に進みます。
また、後述しますが2021年1月に追加された新機能「Trinka for Microsoft Word」もおすすめです。
Trinkaに追加された3つの新機能と使い方!
世界各国の著名な研究者から高く評価されているTrinkaですが、さらに3つの新機能が追加されました。(2021年1月)
▼Trinkaの新機能
- ファイル自動校正
- 用語統一チェック
- 出版適正チェック
ここからは、3つの新機能について個別に見ていきましょう。
ファイル自動校正
最初にご紹介するのは、マイクロソフトのワードデータが数分で自動校正される「Trinka for Microsoft Word」です。
何時でも何処からでもTrinkaのAI英文校正が利用できるのはもちろん、わずか3ステップで完結するため作業効率が格段にアップします。
▼ファイル自動校正の使い方
- Trinkaの公式サイトに登録後、ログイン
- 「ファイル自動校正」を選択し、Wordファイルをアップロード
- 完成した変更履歴付きファイルをダウンロード
英文校正の完成品と同時に「用語の修正案」が受け取れるのもTrinkaならではの魅力でしょう。
ちなみに、「Trinka for Microsoft Word」のプラグインも近日公開される予定です。(2021年6月時点)
出版適正チェック
出版適正チェックとは、英文校正後の論文が各分野の専門家が購読しているジャーナルに投稿できるレベルかどうか、クオリティを判定してくれる機能です。
特筆すべきは、Trinkaの出版適正チェック機能には一般的な類似ツールよりも多くのチェックポイントが設けられているという点でしょう。
チェックポイントは8つのカテゴリに分かれおり、さらに細分化されて全20項目で査定されます。
▼査定ポイントのカテゴリ
- 投稿先ジャーナルへの適合性:2項目
- 学術論文としての体裁:3項目
- 倫理規定の順守:5項目
- オーサーシップの記載:4項目
- 参考文献:1項目
- 図表:2項目
- 臨床試験情報:1項目
- キーワードと要約:2項目
3ステップで完結する使い勝手の良さも、膨大な集積データをAI開発に活用したTrinkaのこだわりです。
▼出版適正チェックの使い方
- Trinkaの公式サイトに登録後、ログイン
- ファイルをインポートし、「出版適正チェック」を選択
- レポート結果をダウンロード
適正チェックの結果だけでなく、投稿先ジャーナルの候補も提案してくれます。
用語統一チェック
Trinkaの用語統一チェックは、ボリュームが大きい論文ほど効果を発揮する便利機能です。
下記5項目を指定することで、ワンクリックで「表記の揺らぎ」が修正され、統一感のある洗練された論文に仕上がります。
▼用語統一チェックの項目
- Dashes:単語を繋ぐハイフンの有無
- Spacing:文字間隔の統一
- Numbers:数字表記の統一(5:five)
- Spelling:スペルの統一(colourとcolorなど)
- Greek Letter Style:ギリシャ文字のスタイルを統一
特にSpellingに対しては、Profile欄から確認・編集ができる「マイ・ディクショナリー」が便利です。
例えば、「nanotubol」を毎回「nanotubes」と表記するなど、特定の単語に対するスペルを指定することができます。
Trinkaの料金プラン!無料の範囲は?
Trinkaの料金プランは、「無料のベーシック」と「有料のプレミアム」に分かれています。
ベーシックプランは無料で使えるものの、対象は個人ユーザーに限定されており利用範囲に制限が設けられているので注意が必要です。
ベーシック | プレミアム | |
---|---|---|
料金 | 無料 | 月額20$/年間一括払い80$(US$) |
英文チェック | 1か月10,000単語まで | 無制限 |
ファイル自動校正 | 出版適正チェックと合わせて月2回まで | 出版適正チェックと合わせて月5回まで |
出版適正チェック | ファイル自動校正と合わせて月2回まで | ファイル自動校正と合わせて月5回まで |
利用できる機能 | 新機能の先行利用・Wordプラグイン以外 | 全て |
校正者による英文校正 | お申し込み後、すぐに利用可 | お申し込み後、すぐに利用可 |
Trinkaの利用方法3つ
Trinkaの利用方法は下記の3種類が用意されており、お好みに合わせて選択できる仕組みになっています。
▼Trinkaの使い方
- Wordファイルをアップロードして、自動校正する
- ブラウザの拡張機能を使う(Chromeなど)
- Trinkaのサイトにアクセスし、クラウドエディターを使用する
「ライティングスキルも学びたい!」という方にはクラウドエディターがおすすめです。
書き込み中にミスを警告してくれるうえ、修正案もアドバイスしてくれます。
まとめ
Trinkaは世界初のAI英文校正ツールとしてだけでなく、研究論文に相応しいクオリティの高さにも定評があります。
ご興味のある方は、公式サイトに設置されているデモを試してみてはいかがでしょうか。
納得できる英文校正ツールを見つけるには、実際の使い勝手や仕上がりの精度などをご自身で確認してみるのが一番の近道です。