英文校正をするのに資格は必要?

公開日:2021.10.07
最終更新日:2021.10.08

英文校正をするのに資格は必要なのでしょうか。実は、資格を持っていないと英文校正をできないということはなく、十分な知識と経験があれば英文校正できます。ただし、校正に関連する資格など役に立つ資格はあります。

それと同時に、英文を正しい文に直すために必要な英語資格や、専門的な文章を校正するために必要な各分野の専門的知識や語彙力、学位なども英文校正をするのに役に立ちます。

 

英文校正するのに必要な資格は?

英文校正をするに当たって、必要な資格は特にありません。

つまり、資格を持っていなくても英文校正をすることはできます。

資格がなくても英文校正はできる

英文校正をするのに資格が必要ないならば、誰でも英文校正できるのかと言えば、そうではありません。

正しい英文に直すためには、当然高度な英語力が求められ、専門的な文章であれば、その専門分野において精通していなければなりません。

高度な英語力が必要

英文校正をして英文の文法的な間違いを修正し、より内容に合った適切な言葉に言い換えるためには、高い文法力と豊富な語彙力が必要です。

また、英語の文章の書き方には一定のルールがあるので、文章の種類に応じた英文のフォーマットにも熟知していなければなりません。

各分野の専門知識もあった方が良い

一般的な英語の文章であれば、高い英語力があれば英文校正できるかもしれませんが、専門的な文章を校正する場合は、専門用語やその分野ならではの独特な表現が多く出てきます。

そのため、専門分野の知識、さらには実務経験があれば英文校正に大きく役立つでしょう。

 

英文校正をするのにあると便利な資格

校正をするのに資格は必須ではありませんが、校正の資格や、翻訳資格、英語資格などは、英文校正をするのにあると役立ちます。

英文校正に役立つ資格

英文校正に直接役立つ資格には大きく分けて、校正の資格と翻訳の資格があります。

校正の資格

校正の技能を認定する試験は「校正技能検定試験」です。

これは、日本エディタースクールが1966年から実施している唯一の認定試験となります。「初級」は、日本エディタースクールを含む各教育機関で指定の単位科目を習得したら認定されます。「中級」の受験資格は、日本エディタースクールの所定のコースを修了していること、または実務経験を有することです。「上級」の受験資格は、中級に合格していることです。日本語の校正についての試験ですが、もちろん英文校正にも役立ちます。

一方、英文校正の資格としては、1991年に米国で設立された編集者委員会が実施する「BELS(The Board of Editors in the Life Sciences)」という試験があります。

「BELS」は、「ライフサイエンス」分野における編集技術を有することを証明する資格試験。「BELS」を受験するには、学士号(大学を卒業していること)と「ライフサイエンス」分野における編集経験2年を有することが必要とされます。

翻訳の資格

翻訳の資格は、英文校正と直接関係がないように思えますが、たとえば日英翻訳の資格を持っていれば、英文校正に役立つ英文作成能力を有することを示すことができます。

一般社団法人日本翻訳連盟(JTF)が実施する「ほんやく検定」はオンラインで受験でき、1級から5級まであります。3級以上は6つの分野から専門分野を選択して受験。2級以上に合格すると、「翻訳者登録制度」に申請できます。

専門分野に関連する学歴

「英文校正」と言うと、高い英語力が必要というイメージはあるかと思いますが、意外と見落とされがちなことが、各分野の専門知識です。いくら英語が得意な方でも、自分が詳しくない分野の専門的な文書を読んで理解し、校正することは難しいです。

専門分野の修士号や博士号を持っていれば、その分野の論文を数多く読み、修士論文や博士論文を書いた経験があると見なされます。海外の大学で修士号や博士号を取った場合や、国内の大学でも英語の論文を書いた経験があれば、その経験は専門的な文章の英文校正に役立つでしょう。

英語力を証明する資格

英文校正をするに当たって、英語力は役立つというより必須の前提条件となります。

英語力が高いだけで英文校正できることにはなりませんが、英文校正をするのに英語力は必須なので、英語資格を持っていて損することはありません。英語資格試験には様々なものがありますが、代表的なものとして、アカデミック系の英語試験とビジネス系の英語試験をいくつか挙げてみました。

アカデミック英語の資格

主にアカデミック英語に主眼を置いた英語の資格試験には、「実用英語技能検定(英検)」「TOEFL(トーフル)」があります。どちらも、短いながらライティングの課題が出るため、基本的な英文作成能力があることを示すことができます。

「英検」は文部科学省が後援し、高校受験や大学受験にも役に立つ汎用性が高い英語資格です。たとえば、大学上級程度が目安とされる英検1級の試験では、指定されたトピックについて200~240ワードの英作文を書かせるライティングがあります。

「TOEFL」は、米国の非営利団体であるETSが提供するテストで、外国人が米国などの大学に入学する際、大学が定める基準以上のスコアが必要となります。ライティングはパソコンを用いてタイピング形式で行い、150~200ワードの要約を作る「integrated writing」と300語ワード以上で自分の意見を書く「Independent writing」の2つに分かれています。

ビジネス英語の資格

ビジネスで使う英語や技術的な英語の力を測る資格試験には、「TOEIC(トーイック)」「技術英検」があります。

「TOEIC」は、米国の非営利団体であるETSが提供するビジネス英語がメインのテストで、日本では就職や昇給に役立つなど広く知られています。「toeic」テストにはいくつか種類がありますが、一般的に「toeic」と言えば「toeic  Listening & Reading Test」を指し、ライティングは含まれていません。

公益社団法人日本技術英語教会が実施する「技術英検」は、以前「工業英検」と言われていたものが改名されたもので、科学技術文書を正しく書き読む力を評価する資格試験です。たとえば、一番上のレベルである「技術英検プロフェッショナル」の試験では、800語程度の英文の要約、和文200~300文字の英訳、和文500文字の英文要約の作成、英文のリライト(簡潔に書き直す)など、英文を書かせる問題が豊富です。

 

資格を取るためにどんな勉強をすべきか

資格勉強をするに当たっては、まずその資格の公式ホームページにアクセスし、試験の概要を把握します。

勉強する教材として一番信頼できるのは、過去問や公式問題集です。過去問で出題傾向をつかみ、どのような資格勉強が必要かを考えましょう。また、公式問題集等が手に入るか調べ、他の教材が必要であれば市販の教材も探してみましょう。

校正の資格試験対策

「校正技能検定試験」を主催する日本エディタースクールは、校正練習問題集を販売しています。

中級向け問題集が「A」と「B」の2種類、上級向け問題集が1種類あります。日本エディタースクール窓口で購入できますが、郵送してもらうことも可能です。また、同スクールは試験対策講座も提供しています。「校正技能検定試験」の「初級」はスクールに通って単位を修得することで認定され、「中級」は受験資格として「実務経験」または「スクールのコースを修了すること」が必要とされるので、実務経験がない方は対策講座を受講するのが近道かもしれません。

「BELS」の公式ホームページからは、問題サンプルとその解答解説が書かれた「Study Guide」がダウンロードできます。文章を読んで選択問題に答える形式で、専門的な語彙や文法などに精通していないと答えられないような難易度の高い問題となっています。高度な英語力に加え、ライフサイエンス分野において使われる語彙を習得することが不可欠です。また、公式ホームページにも書いてある通り、校正の実務経験を積むことが一番のテスト対策になるでしょう。

翻訳試験対策

「ほんやく検定」のホームページ上で、過去問を購入することができます。また、2011年出版の「JTFほんやく検定 公式問題集」という本もあります。試験形式等が変更されている部分もあるので、注意しましょう。

3級以上のテストは分野別に分かれるため、受験する分野の日本語記事・英語記事などを普段から読み語彙力を高めておくことが重要です。英語版と日本語版両方手に入る記事などがあると、翻訳の参考にもなり役立ちます。

英語試験対策

英語試験は広く受験され、問題集も様々なものが市販されています。ただし、たくさんあるため内容も玉石混交なので、まずは過去問や公式問題集からチェックしましょう。なお、いずれの英語試験においても、文法知識や語彙力は必須です。論文などフォーマルな英語の文章では特に、文法的に正しいことがマストなので、英文法は完璧にしておきましょう。

ライティングがある英語試験では、「序文」「本体」「結論」など英文の構成がある程度決まっているので、それを意識して書く練習をしましょう。また、英文を書いたら必ず見直しをして、文法的な誤りやスペリングのミスなどをチェックする癖を付けると、後々英文校正をする時にも役立ちます。

「英検」は、公式ホームページから過去3回分の過去問がダウンロードできます。まずは受験予定の級の過去問を一回分解いてから、自分に足りない部分を補うようにしていくと良いでしょう。一度解いた読解問題の本文を、英英辞典を引きながら読み込むと、言葉のニュアンスをつかみながら語彙を増やせるのでおすすめです。短期間で基本的な語彙を習得したい場合は、市販の単語集やアプリなども役立ちます。

なお、「英検」のライティングでは、「I think …」や「I agree that …」など、”I”を主語にした文を書くとされていますが、学術論文では一人称は用いらない傾向が強かった時代がありました。そのため、一人称を主語にしない文章で英文を作成し、「著者」という意味の「the author(s)」を主語にする場合が多くみられます。

しかし、今は論文でも受動態・能動態も使われており、能動態は論文の「序論」と、「考察」の部分でよく使われています。

 

「TOEFL」や「TOEIC」も公式問題集があるので、それらを使って勉強しつつ普段からなるべく英文を読むようにします。「TOEFL」ならアカデミックな記事や本、「TOEIC」ならビジネス記事を読むことがテスト対策につながります。また、どちらも試験対策の単語集が数多く市販されているので、自分にあったものを探すと良いでしょう。

「技術英検」は公式ホームページに過去問題サンプルがある他、過去問を購入することもできます。また、テストを実施している公益社団法人日本技術英語教会が出版する問題集も市販されています。「技術英検」は上記の英語試験に比べて市販されている対策本は少ないものの、「技術英語」の書き方を学ぶ本などが参考になります。また、技術英語が書かれた論文や記事を読むことも役立つでしょう。

 

まとめ

英文校正をするに当たって資格は必須ではありません。

しかし、高度な英語力や専門分野の知識・語彙などは英文校正に必要であり、活かせるスキルになります。そして資格は一定基準以上の実力があることを証明できるものになりますし、その資格を取るための試験勉強自体が英文校正の実務に役立ちます。

いずれにせよ、英語力は必須条件なので、まずは一般的な英語試験の資格取得からスタートし、さらに専門分野の知識や語彙を高めるために次のステップを目指してみるのが良いでしょう。

また、自分で書いた英文を自力で校正するには客観性に欠け、限界があります。そんな時は英文校正をしてくれる業社に依頼するのも良いでしょう。料金が安い業社や納期が早い業社など、様々な形態の業社を紹介しています。

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